本記事はプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。情報の取り扱いは会社ごとにルールが異なります。本記事は一般的な注意点の紹介であり、最終的には自社の規程・情報システム部門の指示に従ってください。

ChatGPTを使い始めて、仕事が少し速くなってきました。
メールの下書き、議事録の要約、Excelの関数——「これ、もっと早く使えばよかった」。
そんなある日、取引先からの見積メールを要約させようとして、ふと手が止まります。
「待てよ。この会社名と金額、AIに貼って大丈夫なんだっけ……?」

便利さに慣れてきた頃にやってくる、この小さな不安は、実はとても正しい感覚です。
生成AIの利用で起きるトラブルの多くは、難しいハッキングではなく、現場での”うっかり入力”から始まります。
この記事では、現場で働くあなたが「うっかり情報漏洩」をしないための使い方を、具体的なNG入力例とコピペできるチェックリストで整理します。

先に結論です。気をつけるのは、主に「何を入力するか」。次の3つを守れば、リスクは大きく下げられます。

  1. 個人情報・機密情報は入力しない
  2. 公開情報+匿名化して使う
  3. 会社の方針と設定を確認する

なぜ「入力」が情報漏洩の入口になるのか

ChatGPTのようなクラウド型のAIは、入力した内容がインターネット上のサーバーに送られて処理されます。
ここで知っておきたいのが、次の3つのリスクです。

  • 学習・保存のリスク:設定や契約によっては、入力内容がサービス改善に使われる場合があります
  • 共有のリスク:チャット履歴の共有リンクなどから、意図せず外部に見える可能性があります
  • 取り扱いのリスク:そもそも、社外のサービスに会社の秘密情報を渡すこと自体が、契約や規程で禁じられている場合があります

個人情報保護委員会は、生成AIサービスの一般利用者に向けて、次の3点を留意点として示しています。
出所は個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(2023年6月2日公表)です。

  1. 入力した個人情報は生成AIの機械学習に利用されることがあり、他の情報と統計的に結びついたり、正確・不正確を問わず出力されたりするリスクがあること
  2. 生成AIの応答結果そのものに、不正確な内容が含まれることがあること
  3. サービスを提供する事業者の利用規約やプライバシーポリシー等を十分に確認し、入力する情報の内容を踏まえて適切に判断する必要があること

つまり「AIが賢いかどうか」以前に、何を入れるかは利用者自身の判断にかかっている、というのが国の一貫した立場です。

個人情報保護委員会の注意喚起による一般利用者への3つの留意点 入力した個人情報は機械学習に利用されることがある 応答自体が不正確なことがあるハルシネーション 利用規約とプライバシーポリシーを確認する


「うっかり入力=即違法」ではない——営業秘密の仕組みを正しく知る

ネットの記事の中には、「会社の情報をAIに入れたら即座に法律違反」という書き方をしているものもありますが、これはやや不正確です。正しく理解しておくと、必要以上に怖がらず、かつ本当に注意すべきポイントが見えてきます。

不正競争防止法が保護する「営業秘密」として法的に扱われるには、次の3要件をすべて満たす必要があります(出所:経済産業省「営業秘密~営業秘密を守り活用する~」)。

要件 意味
秘密管理性 会社が「秘密として管理する」意思を、社員が認識できる形(アクセス制限・マル秘表示など)で示していること
有用性 事業活動にとって価値のある技術上・営業上の情報であること
非公知性 一般に知られておらず、簡単には知り得ない状態であること

うっかり入力即違法ではない 営業秘密の3要件は秘密管理性と有用性と非公知性 法的に営業秘密となるかは会社の管理体制次第で意図なき入力の多くは社内ルール違反や秘密保持契約違反の問題 ただし結論は変わらず迷ったら入れない

ここで押さえておきたいのは、この3要件を満たすかどうかは、社員個人ではなく「会社がどう管理しているか」で決まるという点です。会社が普段からきちんと秘密として管理している情報であれば話は別です。しかし、そうでない情報を社員が「うっかり」AIに入力したからといって、その行為自体が自動的に不正競争防止法違反になるわけではありません。同法が問題にするのは、主に不正な利益を得る目的や会社に損害を与える目的をもって、営業秘密を持ち出すといった意図的な行為です。

とはいえ、安心してよいという話ではありません。うっかり入力は、多くの場合「法律違反」より先に「社内ルール違反」「秘密保持契約違反」として問題になります。 会社が経済産業省「秘密情報の保護ハンドブック」等を参考に、秘密情報の管理体制を整えている場合も多いはずです。その場合、社外のAIサービスへの入力は就業規則・秘密保持誓約書で明確に禁止されていることが一般的です。悪気がなくても、取引先や顧客の情報が外部に見える形になれば会社に実害が生じます。本人が懲戒の対象になることもあり得ます。

つまり、「この情報を入力したら法律違反になるか」を自分でその場で判断するのは現実的ではありません。判断に迷う一次的な線引きは「入れない」に統一しておくのが、一番シンプルで確実な自衛策です。


やってはいけない入力(NG例リスト)

次のような情報は、そのまま貼り付けないのが基本です。

NG入力の例 なぜダメか
顧客の氏名・住所・電話番号・メール 個人情報。本人の同意なく外部に渡せない
取引先名+金額・条件が分かる見積/契約情報 取引先の機密。契約違反になり得る
自社の未公開情報(新製品・売上・人事) 社外秘。漏れれば競争上の不利益
社員の評価・健康・マイナンバー等 要配慮個人情報。特に厳重な扱いが必要
パスワード・APIキー・社内システムのID 認証情報。漏洩は直接的な被害に直結
ソースコード(社外秘のもの) 知的財産。流出すると取り返しがつかない
図面・試作品や不良品の写真・未公開の型番 製造ノウハウ。画像も入力データとして外部に渡る

ポイントは、「それが画面の外に出て困るなら、入れない」というシンプルな基準です。


安全に使う3つの原則

NGを避けたうえで、安全に使うコツが3つあります。

原則1:個人・機密情報は入れない

最も確実なのは、そもそも入れないこと。実名や数字を伏せても、たいていの用は足ります。

NG:A商事への見積、本体120万円・納期2週間で、丁寧な文面に要約して
OK:取引先(仮にA社)への見積メールを作りたい。金額は◯◯円、納期は△△。
  丁寧でわかりやすい文面にして

このように一般化すれば、AIは同じように使えて、社外秘は外に出ません。

実際にOK側の頼み方で試すと、ChatGPTは次のような下書きを返してきます(出力例・宛先や数値は架空です)。

A社ご担当者様
いつもお世話になっております。お見積りの件でご連絡いたします。
本体価格は◯◯円、納期は△△を予定しております。詳細は添付の見積書をご確認ください。
ご不明点がございましたら、お気軽にお申し付けください。

伏せ字のまま下書きを作らせて、確定した金額・納期は送信前に自分の手元で埋める——この順番にするだけで、AIの速さと情報の安全を両立できます。

原則2:公開情報+匿名化で使う

すでに公開されている情報や、固有名詞を伏せた内容なら安全度が上がります。
顧客リストの分析をしたいときは、氏名を「顧客1・顧客2」に置き換える(匿名化する)だけで、多くのケースは目的を達成できます。

原則3:会社の方針と設定を確認する

会社にAI利用のルールがあれば、それが最優先です。
総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(令和8年3月31日公表)でも、AI利用者に注意が求められています。機密情報等を不適切に入力することがないよう注意を払う、という内容です。国のガイドラインも、現場の一人ひとりの入力判断を前提にしているということです。

また、サービスによっては入力内容を学習に使わせない設定や、業務向けプランが用意されている場合があります。無料版と業務向けで取り扱いが異なることもあるため、自社で利用するプランの仕様を確認しておきましょう。
なお、学習オフ設定やオプトアウトの具体的な操作手順は、サービス側の仕様変更で頻繁に更新されます。本記事では手順そのものは固定的に案内せず、利用中のサービスのヘルプページで執筆時点の最新情報を確認することをおすすめします。
プランごとの違いは、こちらの比較も参考になります。
→ 関連記事:ChatGPT・Gemini・Copilot 徹底比較


コピペで使える「自分用チェックリスト」

入力ボタンを押す前に、頭の中でこの5つを確認しましょう。スマホのメモに貼っておくのもおすすめです。

【AIに入力する前のセルフチェック】
□ 個人情報(氏名・連絡先・マイナンバー等)は入っていないか
□ 取引先名や金額など、社外秘の情報は入っていないか
□ パスワード・IDなど認証情報は入っていないか
□ 固有名詞は「A社」「顧客1」などに置き換えたか
□ 会社のルールで禁止されている使い方ではないか
→ 1つでも不安があれば、入れずに上長か情報システム部門に相談

このチェックが習慣になれば、「うっかり」はほぼ防げます。

もし入れてしまったら

万一、機密情報を入力してしまったと気づいたら、慌てず次の対応をとりましょう。
該当するチャットの履歴を削除し、共有リンクを作っていれば無効化します。そのうえで、自己判断で抱え込まず、必ず上長か情報システム部門に報告してください。早い報告ほど、被害を小さく抑えられます。


困ったときは「会社のルール」に立ち返る

ここまで解説してきたのは、あなた個人が今日から実践できる自衛策です。ただし、個人の注意だけでは限界があります。本来は会社としてのルール(利用規程)が整っていてこそ、現場は迷わず安心してAIを使えます。

上記2本が「会社としての制度づくり」を扱うのに対し、本記事はあくまで現場のあなた自身が実践する使い方・自衛策に焦点を当てています。「うちにはまだルールがない」という場合も、まずは本記事のチェックリストで自衛しつつ、総務やDX担当に相談してみてください。

ルール(会社)と使い方(現場)の両輪がそろって、はじめてAIを安心して活かせます。

なお、チェックリストを配る側——つまり社内の「AIの相談役」を任される立場になりそうな方は、安全な使い方を我流でなく体系立てて押さえておくと、現場からの「これ入れていい?」に自信を持って答えられます。
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まとめ:「入れない・伏せる・確認する」で十分守れる

最後に要点を整理します。

  • 生成AIの漏洩トラブルの多くは、現場の「うっかり入力」から起こる
  • 気をつけるのは主に「何を入力するか」
  • 個人・機密情報は入れない/公開情報+匿名化で使う/会社の方針と設定を確認する
  • 入力前のセルフチェック5項目を習慣にする

難しい知識がなくても、この3原則とチェックリストで、現場のリスクは大きく下げられます。まずは今日から、入力ボタンの前にひと呼吸おく習慣を始めてみてください。

安全な使い方と情報リテラシーを基礎から押さえておくと、迷わず・怖がらずにAIを仕事へ活かせます。一度体系的に学ぶのが近道です。
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※本記事は一般的な注意点の紹介です。情報の取り扱いは会社の規程・契約・関係法令により異なります。具体的な運用は、自社の情報システム部門や専門家にご確認ください。

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jitsumuai / jitsumuai.com 運営者

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