※本記事にはアフィリエイト広告(Udemy・PLAUD NOTE・DMM 生成AI CAMP)が含まれます。


社内でChatGPTを安全に使う!中小製造業・事務職向けルール整備ガイド+ひな形付き【2026年版】

1. この記事の結論:「禁止」より「安全に使えるルール」が現場を守る

金曜17時、就業時刻を過ぎた総務部のデスクで、係長の高橋さん(38歳)はスマホでChatGPTのアプリを開いていました。来週の研修資料の下書きを、定時後にこっそり作ってもらっているところです。画面の向こうでふと手が止まります。さっき先輩から聞いた「お客様情報、うっかり書いちゃダメだよ」という一言を思い出したからです。「あれ、自分は今、何を入力していたっけ」。慌てて入力履歴を見返すと、個人名は入れていません。でも、取引先の名前は書いていなかったか——不安になって検索を始めたのが、この記事にたどり着いた理由です。

こうした不安を抱える総務担当・現場リーダーは、今の日本に非常に多くいます。総務省「令和7年版情報通信白書」によれば、自社の生成AI活用方針を「積極的に活用する方針」「活用の一定の基準を定めて活用する方針」として明確に定めている企業の割合は2024年度調査で49.7%(2023年度42.7%から増加)にとどまり、中小企業では「活用方針を明確に定めていない」という回答が特に多く、約半数を占めています。つまり、会社としての方針が固まるより先に、現場の社員一人ひとりがすでにChatGPTを使い始めているのが実情です。

生成AIの活用方針を定めている企業は49.7パーセントで中小企業は約半数が未定 ルールの空白はひな形で埋める3ステップ 総務省令和7年版情報通信白書

多くの会社が「禁止」という対応を取った結果、社員が隠れて使い続けるという状況も生まれています。

「禁止」ではなく「安全に使えるルールを整備する」が、今の正解です。

この記事では次の3つをお届けします。

  1. ChatGPTの情報漏洩リスクの仕組みを「IT知識ゼロ」でも理解できる解説
  2. コピペOKな「社内AI利用規程ひな形(A4一枚版)」
  3. 今日中に完了できるChatGPTの安全設定手順

IT担当者がいない中小製造業・事務職の現場でも、この記事1本でルール整備が完結します。


2. まず理解する:ChatGPTに情報は「保存」されるのか?

ルールを作る前に、仕組みを正しく理解しておきましょう。怖がりすぎず、かつ油断もしないために必要な知識です。

ChatGPT(Web版)のデータの流れ

ChatGPTのWebブラウザ版(chat.openai.com)でテキストを入力すると、次の流れでデータが処理されます。

  1. あなたが入力した文章がOpenAI社のサーバーに送信される
  2. AIが返答を生成し、あなたの画面に表示される
  3. 会話履歴がOpenAIのサーバーに保存される(デフォルト設定の場合)

つまり、Web版ChatGPTに入力した内容は、インターネット経由でOpenAI社のサーバーに送られています。 メールを送る感覚に近いと考えてください。

「防げるリスク」と「防げないリスク」

リスクの種類 防げる? 対策
会話がAIの学習データに使われる ✅ 防げる 設定でデータ学習をオフにする(後述)
過去の会話がAIに記憶される ✅ 防げる 毎回「新しいチャット」を使う
機密情報を「うっかり」入力してしまう ⚠️ 設定では防げない ルールと教育で対応する
OpenAI社サーバーへの一時的なデータ送信 ❌ 避けられない Web版の構造上の仕組み。後述の法人向けプラン等で管理強化

ChatGPTのリスクは設定で防げるものと防げないものに分かれる 学習利用と記憶は設定で防げる うっかり入力はルールと教育で対応 サーバー送信は構造上避けられない

この表が示すポイントは、設定で防げるリスクは設定で対応し、防げないリスクはルールと教育で対応するということです。「完全には防げない」からこそ、「何を入力しないか」のルールが重要になります。

IPA(情報処理推進機構)も、AIやセキュリティに詳しくない利用者向けに「クラウドAIに営業秘密を教えない」ことを最低限の対策のひとつとして挙げています(IPA「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」)。設定を整えることと、入力する中身に気を配ること。この2段構えが、社内でChatGPTを安全に使うための基本になります。

無料版・Plus版・法人向けプランのデータの扱い

注:OpenAIの法人向けチームプランは「ChatGPT Team」から「ChatGPT Business」へ名称変更されています(機能・データ非学習の方針は同様)。料金は為替や契約条件で変動するため、以下は執筆時点の目安です。最新は必ず公式サイトでご確認ください。

プラン データ学習 デフォルト 管理者機能
無料版 あり(デフォルトON) 手動でオフ設定が必要 なし
Plus版(月額20ドル前後・円建て表示) あり(デフォルトON) 手動でオフ設定が必要 なし
ChatGPT Business(旧Teamプラン・年払い1ユーザーあたり月額20ドル前後〜) なし(標準で無効) 設定不要 あり(管理者画面)

3. 【NG入力一覧】社内で絶対に入力してはいけない情報10選

「何を入れてはいけないか」を明確にすることが、ルール整備の出発点です。個人情報保護委員会は、個人情報取扱事業者が個人データを含むプロンプトを生成AIに入力する場合は利用目的の達成に必要な範囲内であることの確認が必要であり、入力した個人データが応答結果の出力以外の目的(提供事業者側の機械学習など)に利用される場合は本人の同意が必要になり得ると注意を呼びかけています(個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」)。以下の10項目を社内で共有してください。

# NG情報の種類 製造業・事務職での具体例 代替(抽象化してOKな入力例)
1 顧客・取引先の氏名・連絡先 「〇〇株式会社の田中部長から連絡があり…」 「お客様から連絡があり…」
2 社員の個人情報 「山田さんの今月の給与は〇〇円で…」 「社員の給与計算で〇〇の場合は…」
3 未公開の製品仕様・設計情報 「新型モデルXXXの耐荷重は〇〇kgで…」 「新製品の仕様書の文章を整えてください(仕様は省略)」
4 契約書・見積書の全文 「この契約書を要約してください」(全文貼り付け) 「契約書の〇〇条の表現を改善したい。条文:△△△」(必要部分のみ)
5 社外秘の会議議事録 「今日の役員会議の内容:…(役員名・数字入り)」 「会議の議事録を整形してほしい」(固有名詞を除いた内容のみ)
6 原価・仕入れ値・利益率 「A製品の原価は〇〇円、利益率は〇〇%で…」 「製品の原価管理の仕組みを説明してください」
7 セキュリティ情報 「社内システムのID:〇〇、パスワード:△△△」 入力する理由が存在しない。絶対NG
8 顧客クレーム(氏名入り) 「〇〇様からのクレーム内容:…」 「顧客からクレームを受けた。対応メールの文案を作ってほしい」
9 NDA対象の機密情報 「A社と締結したNDAの内容に基づくと…」 NDA情報は形式を問わず入力禁止
10 採用候補者の個人情報 「〇〇さん(30歳・前職□□)の選考結果は…」 「中途採用の面接評価シートのフォーマットを作ってほしい」

「これ入れていい?」を即判定するフロー

入力しようとしている情報に以下が含まれますか?

① 実在する個人名(社員・顧客・取引先)が入っている → NG
② 金額・数量など自社の内部情報が特定できる → NG
③ 「社外秘」「機密」「NDA」がついている資料から取った内容 → NG
④ システムのID・パスワード → NG

①〜④のどれにも当てはまらない → ひとまずOK(迷ったら上長に確認)

4. 【ルール整備】ChatGPT社内ルールの作り方:コピペOKな利用規程ひな形

このひな形は、経済産業省・総務省が公表する「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」が示す「安全・安心なAI活用のために事業者が自主的に検討すべき行動」の考え方と、IPA(情報処理推進機構)の「テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン」が挙げる「機密情報の入力制限」「出力結果の検証」「利用ルールの文書化」という考え方を、A4一枚で回せる最小限の形に落とし込んだものです。

ルール整備の3ステップ

ステップ1: 現状把握(今週)
社内でどのAIツールを誰がどう使っているか確認します。Googleフォームで簡単なアンケートを取るだけでOKです。

ステップ2: ひな形のカスタマイズ(今週〜来週)
以下のひな形を自社にあわせて修正します。社名・部署名・対象ツールを埋めるだけで完成します。

ステップ3: 周知・運用開始(来月初め)
朝礼・回覧・メールで社員に共有します。難しく説明せず「このルールを守って使ってください」と一言添えるだけで十分です。


社内AI利用規程ひな形(A4一枚版・コピペOK)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【社内AI利用規程(簡易版)】
制定日:    年  月  日  版数:1.0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1. 目的
本規程は、社内における生成AI(ChatGPT等)の適切な利用を促進し、
情報漏洩等のリスクを防ぐことを目的とします。

2. 対象となるAIツール
ChatGPT(OpenAI)、Gemini(Google)、Copilot(Microsoft)その他の
生成AIサービス全般

3. 利用可能な業務(例)
・業務メール・社内文書の下書き作成
・会議の議事録の要点整理(固有名詞・社外秘情報を除くもの)
・報告書・マニュアルの文章改善
・アイデア出し・ブレインストーミングの補助
・一般的な質問・情報収集

4. 禁止事項(入力してはいけない情報)
以下の情報はいかなるAIツールにも入力しないこと。
① 顧客・取引先の個人情報(氏名・連絡先等)
② 社員の個人情報(給与・評価・住所等)
③ 未公開の製品仕様・設計・試作情報
④ 契約書・見積書・財務情報の全文
⑤ 社外秘・機密指定の情報
⑥ NDA(秘密保持契約)対象の情報
⑦ システムのID・パスワード
⑧ 採用選考に関する個人情報
⑨ 顧客クレーム等の個人が特定できる情報
⑩ その他、社外に開示できない情報全般

5. セキュリティ設定
ChatGPTを使用する場合は、以下の設定を必ず実施すること。
・「設定」→「データコントロール」→「モデルのトレーニングに使用」をオフ

6. 違反時の対応
本規程に違反した場合、情報セキュリティ担当者(総務部)に報告し、
再発防止策を講じること。

7. 問い合わせ窓口・改訂
本規程に関する質問・改訂は総務部(担当:    )まで。
次回見直し予定:    年  月

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この規程は「最小限かつ実用的」な設計にしています。完璧を求めて複雑にするより、社員が守れるシンプルなルールを早く展開することを優先しました。自社の状況にあわせて項目を追加・削除してください。

📌 もっと本格的な規程が必要な場合
このひな形は「ChatGPTを対象に、現場リーダーが今週中に動かせる」ことを優先した簡易版です。生成AI全般(Claude・Gemini等も含む)を対象に、経営層への説明・法務確認・社内承認までを含む本格的な規程を整備したい場合は、【中小企業×AI利用規程】2026年版テンプレ完全公開の6ステップ承認フローもあわせて参照してください。逆に「まず自分の部署だけでAI活用を進める役目を任された」という方は、部署にAIを1人で導入する「社内AIアンバサダー」の動き方が実践ロードマップとして参考になります。


5. 【安全設定】ChatGPTのデータ学習をオフにする手順

ChatGPTの無料版・Plus版では、デフォルトで会話内容がOpenAIのモデル改善に使用される設定になっています。以下の手順でオフにしてください。

設定手順(PC・スマホ共通)

ステップ1: ChatGPTにログインし、画面左下のアカウントアイコンをクリック

ステップ2: 「設定(Settings)」を選択

ステップ3: 「データコントロール(Data Controls)」タブを開く

ステップ4: 「モデルのトレーニングに使用(Improve the model for everyone)」をオフ(グレー)にする

ステップ5: 設定が保存されたことを確認して完了

この設定は1回行えば以降のすべての会話に適用されます。社員全員に設定完了を確認するリストを作ると、周知管理がしやすくなります。


🏢 複数人で使うならChatGPT Business(旧Teamプラン)が安心
個人の無料・Plusプランはデータ学習設定を手動でオフにする必要がありますが、
ChatGPT Businessは標準でデータ学習が無効化されており、
管理者が組織全体のアクセスを一括管理できます。
年払いで1ユーザーあたり月額20ドル前後〜が目安です(為替・契約条件により変動、最新は公式サイトでご確認ください)。
社員3名以上でAI活用を進める会社は、まず無料トライアルで試してみてください。

→ ChatGPT Businessプランの詳細を見る(旧ChatGPT Team)


Microsoft 365 Copilotという選択肢

すでにMicrosoft 365(Word・Excel・Teams)を使っている会社には、Microsoft 365 Copilot(法人プラン) も安全な選択肢です。Azure(マイクロソフト社のクラウド)上で動作するため、入力データは自社テナント内に保持され、OpenAIの学習には使用されません。

既存のMicrosoft環境を活かせる点で、製造業・中小企業との相性が特によい選択肢です。

🔹 個人利用ならChatGPT Plusが選択肢のひとつ
月額20ドル前後(日本では円建て表示・執筆時点。最新料金は公式サイトでご確認ください)で利用でき、
データ学習設定をオフにするだけで安全に使えます。


6. 【活用推進】ルールを守りながら使える業務別プロンプト例5選

ルールを整備した後は、積極的に活用することが大切です。「何を入れていいか」がわかると、現場での活用が一気に進みます。

プロンプト例①:月次報告書の下書き(事務職向け)

以下の実績データをもとに、社内向け月次報告書の下書きを400字程度で作ってください。
・今月の売上:前月比〇〇%(金額は省略)
・主な取組み:〇〇施策を実施
・課題と来月の対策:〇〇の改善が必要
読み手は上司(製造業の管理職)です。

AI出力(before→after・架空の例):

項目 Before(走り書きメモ) After(AI下書き)
元のメモ 「売上前月比+8%。新規開拓キャンペーンやった。来月は在庫管理まだ甘いから見直す」
AI下書き 「今月の売上は前月比108%となりました。主な要因は、新規開拓キャンペーンの実施です。一方で在庫管理プロセスに改善余地が見られたため、来月は在庫の可視化ルールを見直し、欠品・過剰在庫の両方を防ぐ体制を整えます」

このように、走り書きのメモを渡すだけでも体裁の整った下書きになります。ただし、数字・固有名詞・事実関係は、提出前に必ず自分の目で確認してください。 AIは走り書きを整形しているだけで、数字の正しさまでは保証していません。

プロンプト例②:社内通知メールの文章(総務向け)

以下の内容で、全社員向けの通知メールを作成してください。
内容:AIツールの社内利用ルールを本日から運用開始する旨の案内
トーン:丁寧かつわかりやすく。難しい言葉を使わない。
文字数:300字以内

プロンプト例③:作業手順書の改善(製造業向け)

以下の作業手順書の文章を、新入社員でも理解できるよう改善してください。
専門用語には簡単な説明を加え、一文を短くしてください。
[手順書の本文をここに貼り付け]
※固有名詞・機密情報は省いた内容のみ貼り付けること

プロンプト例④:会議アジェンダの作成(現場リーダー向け)

来週の生産会議のアジェンダを作成してください。
・会議の目的:今月の品質問題の原因確認と対策決定
・参加者:5名(役職名のみ、個人名は不要)
・時間:60分
各議題に目安の時間を入れてください。

プロンプト例⑤:改善提案書の下書き(現場担当向け)

以下の内容をもとに、職場への改善提案書の下書きを作成してください。
・問題:〇〇の作業で毎回〇〇分の無駄が発生している
・原因(推定):〇〇が整理されていないため
・提案:〇〇を導入・整備することで解決できる
・期待効果:月〇〇時間の削減
提案書のフォーマットは「問題→原因→提案→効果→必要コスト」の順で。

7. まとめ:今週やること3つで「社内AI環境」が整う

この記事でお伝えした内容をおさらいします。

  • ChatGPTへの入力はOpenAIサーバーに送られるが、設定とルールで管理できる
  • コピペOKなひな形を使えば、今週中に社内規程が完成する
  • データ学習をオフにする設定は5分で完了する

今週のアクション3つ

# アクション 目安時間
1 ChatGPTの「データ学習オフ」設定を全端末で実施する 5〜10分/人
2 ひな形をダウンロード・カスタマイズして社内に回覧する 30分
3 「NG入力一覧表」を印刷してデスク・工場の掲示板に貼る 10分

これだけで「とりあえず安全に使える環境」が整います。完璧なルールより、今週中に動ける最小限のルールを優先してください。


関連記事


※本記事にはアフィリエイト広告(Udemy・PLAUD NOTE・DMM 生成AI CAMP)が含まれます。
紹介している商品・サービスは著者が実際に調査・評価したものです。


🎙️ AIと組み合わせると効果が上がるツール
議事録・報告書の作成をさらに効率化するなら、会話を自動でテキスト化するAIボイスレコーダー「PLAUD NOTE」も選択肢のひとつです。
→ PLAUD NOTEの詳細を見る(PR)

→ UdemyのAI活用講座を見てみる(PR)

→ DMM 生成AI CAMP で生成AIをまとめて学ぶ(月額・学び放題)(PR)

AI

jitsumuai / jitsumuai.com 運営者

プロフィールを見る →

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です