65歳からの仕事探し|公的窓口とAIで見つける現実的な道【2026】

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ハローワークの窓口で、担当者がこう聞きました。「何ができますか」。40年、機械の仕事をしてきたのに、言葉が出てきません。「特別なことは、何も……」。そう言いかけて、口ごもってしまいました。再雇用の契約は、今年度で終わります。年金だけでは、少し心もとない。週に3日か4日は、まだ働きたいのです。

この記事は、そんな65歳からの仕事探しの話です。読み終えるころには、「何ができますか」に落ち着いて答えられる自分になっています。

まず一つ、線を引かせてください。60歳から65歳の間で、再雇用・転職・業務委託のどれを選ぶか迷っている方は、姉妹記事の60代の再就職、AIでどう変わる?(姉妹記事)が合っています。こちらの記事は、その先——65歳から始まる仕事探しの話です。

「何ができますか」に詰まったのは、経験が足りないからではありません

窓口で言葉に詰まったとき、多くの方はこう思います。「自分には、もう売りになるものがないのかもしれない」。けれど、それは違います。40年の経験は、確かにそこにあります。ただ、それが「窓口で伝わる言葉」になっていないだけなのです。

つまり、65歳の壁は「求人の壁」ではありません。「言葉の壁」です。あなたが積み上げた段取りの勘、若手への教え方、不良を見つける目。それらは頭と体には残っています。でも、履歴書の1行や、窓口での一言には、まだ変わっていません。

なぜ、そうなるのでしょうか。長く一つの職場にいると、自分の仕事は「当たり前」になります。毎日やっていたことほど、「これは強みだ」とは思えないものです。だから、いざ聞かれると「特別なことは何も」と口ごもってしまいます。

この記事でやることは、たった一つです。あなたの40年を、窓口で伝わる仕事の言葉に直します。その相棒として、AIを使います。AIは魔法ではありません。でも、頭の中に眠っている経験を、一つずつ書き出して言葉にする作業は、とても得意です。

そのために、まず地図を持ちましょう。65歳から先には、どんな道があるのか。次の章で、正直に並べます。

65歳からの仕事探し——選択肢マップを正直に並べる

65歳からの仕事探し4つの道の選択肢マップ 今の会社で働き続ける70歳までは努力義務で実施企業34.8% ハローワーク生涯現役支援窓口 シルバー人材センター パートと業務委託

65歳からの仕事探しには、大きく4つの道があります。それぞれに、良い面と、正直に知っておきたい現実があります。まず全体を見てから、自分に合う道を選びましょう。

今の会社で働き続ける道——「努力義務」という足場を知る

一つ目は、今の会社でそのまま働き続ける道です。ここで、大事な制度の話を正確にしておきます。

会社には、65歳まで社員を雇う「義務」があります。これは法律で定められた、はっきりした義務です。ところが、65歳から70歳までは扱いが変わります。厚生労働省の高年齢者雇用安定法の改正で、70歳までの就業機会の確保が定められました。ただし、これは「努力義務」です。会社に70歳までの雇用を義務づけるものではありません(厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正〜70歳までの就業機会確保〜」)。

この違いは、数字にはっきり表れています。厚生労働省の令和7年「高年齢者雇用状況等報告」によると、65歳までの雇用確保措置を実施済みの企業は99.9%でした。ほぼすべての会社が対応しています。一方、70歳までの就業確保措置を実施済みの企業は34.8%にとどまります(厚生労働省 令和7年報告)。

34.8%は、およそ3社に1社です。つまり、多くの会社では、70歳まで働ける仕組みがまだ整っていません。ここは正直にお伝えします。「70歳まで働ける会社が増えている」と楽観するのは、少し早いのです。

ただし、この割合は年々上がっています。令和3年は25.6%でした。それが令和7年には34.8%まで伸びています。前の年より2.9ポイント増えました。少しずつではありますが、道は広がりつつあります。

だから、今の会社で続けたい場合は、まず自分から相談してみる価値があります。「70歳まで働ける制度はありますか」と。制度が努力義務であっても、会社が前向きなら、道は開けます。そのとき、「自分はこの仕事で、こう役に立てます」と言葉にできると、話が進みやすくなります。

ハローワークの「生涯現役支援窓口」を使う道

二つ目は、ハローワークの窓口を使う道です。ここで知っておきたいのが、「生涯現役支援窓口」です。

これは、おおむね60歳以上の求職者に向けた、専門の窓口です。全国の主要なハローワークに設置されています。個別の職業相談、職業紹介、面接会、セミナー、職業訓練のあっせんなどを受けられます(厚生労働省「概ね60歳以上の求職者の皆さまへ(生涯現役支援窓口事業)」)。

65歳以上でも、在職中でも求職中でも相談できます。「もう歳だから」と遠慮する必要はありません。年齢が近い人の相談に慣れた窓口なので、話しやすいのが良いところです。ここでも、あなたの経験を仕事の言葉にしておくと、担当者が求人を探しやすくなります。

シルバー人材センターを使う道——「植木や清掃だけ」ではありません

三つ目は、シルバー人材センターを使う道です。この選択肢には、多くの方が先入観を持っています。「植木の手入れや清掃くらいしかないのでは」というものです。

シルバー人材センターは、定年退職後などの高年齢者に、地域に密着した臨時的・短期的な就業機会を提供する仕組みです。家庭・企業・官公庁から仕事を受注し、希望する会員に提供します。実績に応じた配分金が支払われます(厚生労働省「シルバー人材センター事業の概要」)。

たしかに、植木や清掃の仕事もあります。でも、それだけではありません。センターによっては、事務作業、施設の管理、駐車場の受付、子育て支援、パソコンを使った軽作業などもあります。何があるかは、地域のセンターによって変わります。だから、決めつける前に、一度地元のセンターに問い合わせてみるのがおすすめです。

問い合わせるときは、こう伝えると話が早く進みます。「事務や品質管理の経験があります。事務系の仕事はありますか」。自分の得意を先に言うと、担当者も探しやすくなります。ここでも、1枚メモが役に立ちます。

「短時間から、無理のない範囲で働きたい」。そういう方には、合いやすい道です。会員になって、まずどんな仕事があるかを見るだけでも、次の一歩の参考になります。

パート・業務委託で働く道

四つ目は、パートや業務委託で働く道です。会社の再雇用の枠を離れて、自分のペースで仕事を受ける形です。

70歳までの就業確保措置の選択肢には、業務委託契約や社会貢献事業への従事も含まれています。つまり、「雇われる」以外の働き方も、制度として想定されています。長年の経験を持つ方が、これまでの技術や知識を活かして、単発の仕事を請け負う。そういう道も、現実にあります。

パートなら、週に何日、何時間という形で、体力に合わせて働けます。業務委託なら、「この作業だけ」と範囲を絞って引き受けられます。どちらも、あなたの「できること」がはっきりしているほど、話がまとまりやすくなります。

ただし、業務委託には、正直に知っておきたい面もあります。雇われる働き方と違って、仕事の範囲や報酬を、自分で相手と決める場面が増えます。だからこそ、「何ができて、何は引き受けないか」を、あらかじめ言葉にしておくことが大切です。この準備が、後々のトラブルを防いでくれます。

統計が示す、65歳から先の「働く人」の姿

ここで、少し全体の景色も見ておきましょう。総務省統計局の統計によると、75歳以上の就業率は12.0%で、過去最高になりました。また、70歳から74歳の女性の就業率は27.3%です。

これらの数字が示すのは、65歳や70歳を過ぎても働いている人は、決して珍しくないということです。あなたが「まだ働きたい」と思うことは、少しも特別なことではありません。ただ、道は一つではないので、自分に合うものを選ぶ。そのための地図が、この4つの選択肢です。

なぜAIが「経験を仕事の言葉に直す」相棒になるのか

4つの道を見てきました。どの道を選ぶにしても、共通して必要になるものがあります。それが、「自分は何ができるか」を言葉にすることです。

ここで、AIの出番です。ChatGPTのような生成AIは、こちらが話した内容を整理して、分かりやすい言葉にまとめるのが得意です。あなたが「40年、機械の仕事をしてきた」と話すと、AIはそこから質問を重ねてくれます。「どんな役割を任されていましたか」「若い人に何を教えていましたか」というように。

一人で「強みを書き出そう」とすると、手が止まります。「当たり前のことばかりで、書くことがない」と感じるからです。でも、相手が質問してくれると、答えられます。AIは、その「聞き役」になってくれます。質問に答えているうちに、埋もれていた経験が、少しずつ言葉になっていきます。

これは、経験を「拾い上げて言葉にする」作業です。倉庫の奥にしまい込んだ道具を、一つずつ取り出して並べ直すのに似ています。並べてみて初めて、「こんなに持っていたのか」と気づくものです。

AIの使い方そのものに不安がある方は、まずプロンプトの書き方入門を先に読むと、この後の作業がぐっと楽になります。スマホの操作に自信がない場合は、離れて住む親のスマホをAIで支える方法も参考になります。ご自身で試すときの、やさしい入口になります。

次の章で、実際にAIと一緒に「窓口に持っていく1枚メモ」を作ってみましょう。

窓口に持っていく「1枚メモ」をAIと作る

窓口に持っていく1枚メモをAIと作る できること やりたい働き方 譲れない条件の3つをAIの質問に答えて埋める 氏名住所年金額持病はAIに入れない

ここからが、この記事の中心です。窓口で「何ができますか」と聞かれても詰まらないように、A4で1枚のメモを作ります。書くことは、3つだけです。「できること」「やりたい働き方」「譲れない条件」。これをAIと一緒に埋めていきます。

AIに使う、そのままコピーできる指示文

まず、ChatGPTなどのAIに、次の指示文を貼り付けてください。あとは、AIの質問に答えていくだけです。

あなたは、定年後の働き方に詳しい、キャリアの相談相手です。
これから私が「これまでの仕事」について話します。
その内容を、65歳からの仕事探しの窓口で伝わる言葉に整理してください。

【進め方】
1. まず私に、次の3つを、一つずつ順番に質問してください。
   ・長く続けた仕事と、その中で任されていた役割
   ・「これは得意だった」と思える、具体的な作業
   ・これから週に何日、どんな働き方をしたいか
2. 私の答えを聞いたら、次の3つに分けて、一枚にまとめてください。
   ・できること(経験から言える強み)
   ・やりたい働き方(日数・時間・通える範囲)
   ・譲れない条件(体力・家族の事情など)

【守ってほしいこと】
・私の名前・住所・電話番号は、書かないでください。
・年金の金額や、持病・通院の内容は、聞かないでください。
・大げさに盛らず、私が実際に話したことだけで整理してください。

この指示文には、大事な安全の工夫が入っています。名前や住所、年金額、持病を「入れない・聞かない」と最初に伝えている点です。AIに個人情報を渡さない習慣は、とても大切です。生成AIの利用では、入力した情報の扱いに注意が必要だと、公的にも呼びかけられています(個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起」)。

「詰まる自分」が、「1枚メモ」に変わるまで

実際に、どう変わるのかを見てみましょう。以下は、分かりやすく示すための架空の例です。

Before(窓口で詰まっていたとき)

窓口:「何ができますか」。
本人:「えっと……40年、機械の仕事を……特別なことは、何も……」。

After(AIと作った1枚メモ)

【できること】
・製造ラインの段取りと、若手への手順の教え込み
・不良の原因を探して、記録に残す品質チェック
・工程のムダに気づいて、改善を提案する

【やりたい働き方】
・週3〜4日、日中の時間帯
・自宅から自転車か、バスで通える範囲

【譲れない条件】
・重い物を続けて運ぶ作業は、避けたい
・月に一度の通院日は、休みたい

※これは架空の例です。あなたの言葉は、あなた自身の経験から生まれます。

いかがでしょうか。「特別なことは何も」と言っていた人が、こう並べられるようになります。中身は同じ40年です。変わったのは、それが「窓口で伝わる言葉」になったことだけです。この1枚があれば、窓口の担当者も、あなたに合う仕事を探しやすくなります。

製造業などで長く働いた方の「体で覚えた技術」を言葉に残す考え方は、ベテランの暗黙知をAIで残す取り組み(製造業)でも詳しく扱っています。経験を言葉にするヒントとして、あわせて読むと理解が深まります。

窓口で聞いたことを、あとで思い出せるように

1枚メモを持って窓口に行くと、今度は担当者からの説明が始まります。登録の手続き、就業の条件、紹介の流れ。一度の面談で聞くことは、意外とたくさんあります。「あとで確認しよう」と思っても、家に帰るころには忘れてしまう。そんな経験はないでしょうか。

そういうときに助けになるのが、話した内容を記録できる道具です。たとえばPLAUD NOTEのような録音・要約の機器を使うと、面談で聞いた説明を、あとから自分で整理し直せます。急かされずに、家でゆっくり読み返せるのは安心です。あくまで自分用のメモとして、聞き逃しを防ぐための使い方です。

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なお、録音をするときは、窓口の担当者に一言ことわると、お互いに気持ちよく進められます。「あとで見返したいので、記録してもよいですか」と伝えるだけで十分です。

窓口に行く前の、小さな学び直し

1枚メモができたら、次は窓口の予約です。でも、その前に、もう一つだけ準備しておくと心強いものがあります。それは、AIやスマホに「少しだけ慣れておく」ことです。

これからの仕事探しでは、求人の検索も、応募の連絡も、スマホやパソコンを使う場面が増えます。窓口の担当者から「メールで送っておきますね」と言われることもあります。そのとき、慌てずに対応できると、気持ちがぐっと楽になります。

とはいえ、いきなり難しいことを覚える必要はありません。「今の自分に必要な分だけ」で十分です。たとえば、表計算ソフトのいちばん基本の操作や、スマホでの写真の整理。窓口で「これくらいなら、少し使えます」と言える、小さな一歩で十分です。オンライン講座のUdemyには、シニア向け・初心者向けのAIやスマホの入門講座があります。買い切りで、自分のペースで進められるものが多いので、年金暮らしの負担も小さく抑えられます。

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大切なのは、「無理に詳しくなるため」ではなく「一歩の負担を減らすため」に学ぶことです。窓口に行く前に、ほんの少しだけAIに触れておく。それだけで、当日の緊張はずいぶん和らぎます。

AIに頼るときの、たった一つの約束

ここまでAIの使い方を見てきましたが、最後に、頼りすぎないための大切な話をしておきます。約束は一つだけです。「大事な判断は、AIに決めさせない」。これだけ覚えておけば大丈夫です。

まず、年金のことです。「働くと年金が減るのか」「いつから受け取ると得なのか」。こうした個別の判断は、AIに聞いても正確には分かりません。人によって条件がまったく違うからです。年金のことは、年金事務所や、日本年金機構の窓口で相談してください。AIは、相談に持っていく疑問を整理する手伝いまでにとどめましょう。

次に、健康のことです。「この仕事は、自分の体で続けられるか」。これも、AIが答えを出せるものではありません。無理のない範囲は、自分の体とよく相談して、必要なら医師の意見も聞いて決めることです。

そして、個人情報です。名前、住所、電話番号、年金額、持病。これらはAIに入力しないでください。1枚メモの指示文でも、そう伝える形にしてあります。AIに渡すのは、「どんな仕事をしてきたか」という経験の話だけで十分です。

もう一つ、忘れないでほしいことがあります。65歳から先の仕事探しは、うまくいかない日もあります。でも、それはあなたの価値が下がったからではありません。ただ、経験を言葉にする作業が、少し残っているだけです。焦らず、一歩ずつで大丈夫です。

1枚メモを作り終えて、次の窓口予約へ

長い記事を、ここまで読んでいただきました。最後に、今日からできることを整理します。

まず、この記事のAIへの指示文を使って、「できること・やりたい働き方・譲れない条件」の1枚メモを作ってみてください。名前や年金額は入れずに、経験の話だけをAIに聞いてもらいます。詰まっていた「何ができますか」が、少しずつ言葉になっていくはずです。

その1枚ができたら、次は窓口の予約です。今の会社で続けたいなら、会社に相談する。ハローワークなら、生涯現役支援窓口へ。地域の仕事を探すなら、シルバー人材センターへ。パートや業務委託を考えるなら、その条件をメモに沿って伝える。どの道を選んでも、1枚メモがあなたの言葉を支えてくれます。

65歳の壁は、求人の壁ではありませんでした。言葉の壁でした。そして、その壁は越えられます。40年の経験は、ちゃんとあなたの中にあります。あとは、それを窓口で伝わる言葉に直すだけです。

1枚メモを手に、次の窓口の予約を取りましょう。それが、65歳からの仕事探しの、確かな最初の一歩です。


※この記事には、プロモーション(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介した道具や講座は、あくまで準備を助ける選択肢のひとつです。まずは無理のない範囲で、ご自身に合うものをお選びください。

AI

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