目次
  1. 導入:「副業=禁止」の時代は終わりつつある——でも、設計を間違えれば処分対象
  2. 1. 国家公務員の副業ルール:人事院規則14-8と2024年通知の現在地
  3. P(結論):原則禁止だが、「公益的活動」「自営兼業の規模基準以下」は許可対象になり得る
  4. R(理由):法令の構造と運用通知の積み重ね
  5. E(具体例):2026年4月施行予定の新制度(人事院 令和7/2025年12月19日発表)
  6. P(結論の再提示):国家公務員は「公益的活動」と「規模基準」の2軸で許可可能枠を見極める
  7. 2. 地方公務員の副業:自治体規定差と先進事例
  8. P(結論):地方公務員法第38条が大枠を定めるが、運用は自治体ごとに大きく異なる
  9. R(理由):2025年6月の総務省通知が「自治体差」を後押し
  10. E(具体例):神戸市・生駒市・静岡県の先進事例
  11. P(結論の再提示):「神戸市・生駒市と同じだろう」と思い込まず、自分の自治体規程を必ず確認
  12. 3. 公益的副業のリアルな事例:NPO・農業・地方創生・執筆
  13. P(結論):「経済的動機だけ」ではなく「公益性・社会貢献」を軸にする副業は許可されやすい傾向
  14. R(理由):3原則(公務能率・公正・品位)と整合する活動が選ばれやすい
  15. E(具体例):許可されている/許可される傾向のある公益的副業の類型
  16. P(結論の再提示):「公益性」「専門性」「公務との利害関係なし」の3条件で副業候補を絞る
  17. 4. AIエージェント設計の3軸:合規性スクリーニング・申請文書生成・税務整理
  18. P(結論):AIエージェントは「副業設計の壁打ち」「申請書ドラフト」「税務シミュレーション」の3軸で活用できる
  19. R(理由):副業設計は「複数の文書・規定・制度」を横断する作業だから
  20. E(具体例):AIエージェント活用の3軸
  21. AI活用時の注意点(必ず確認)
  22. P(結論の再提示):AIは「考えるたたき台」、最終判断は人事課と自分
  23. 5. 完全公開プロンプト集:合規性チェック・申請書ドラフト・確定申告準備
  24. P(結論):以下の3本のプロンプトをコピペすれば、副業設計の初稿が30分で揃う
  25. プロンプト1:副業合規性チェックプロンプト
  26. プロンプト2:副業申請書ドラフトプロンプト
  27. プロンプト3:確定申告準備プロンプト
  28. P(結論の再提示):3本のプロンプトを順番に回すと、副業設計の初稿が見える
  29. 6. 申請が通る/通らないの分かれ目:5つの記載ポイント
  30. P(結論):通る申請書は「数値・利害関係なし・公益性」を具体的に書いている
  31. R(理由):審査側は「3原則と矛盾しないか」を読みに来るから
  32. E(具体例):5つの記載ポイント
  33. 通らない申請書の典型パターン(避けるべき)
  34. P(結論の再提示):「数値・関係なし・公益性」の3点セットが分かれ目
  35. 7. 失敗パターン:無断兼業・公務優先違反・名義役員
  36. P(結論):「無断・抽象・過大・利益相反・品位欠如」のいずれかに該当すると、減給・戒告のリスク
  37. R(理由):3原則と「無断であること」が処分の根拠になる
  38. E(具体例):5つの典型失敗パターン
  39. 「バレない方法」を探さず、許可取得を目指す姿勢が結局は最短
  40. P(結論の再提示):失敗パターンは「事前に潰せる」もの
  41. 8. もし副業申請が難しい場合:転職・キャリアの選択肢も視野に
  42. 9. まとめ:副業設計はAIで効率化、最終判断は人事課と自分
  43. 本記事の要点(再整理)
  44. 次に取るべき1つのアクション
  45. 最後に:YMYL再確認
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  47. 主な出所一覧

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【重要・必ずお読みください】
本記事は2026年5月時点の公開情報(人事院・総務省・各自治体公式サイト等)に基づく一般的な解説です。公務員の副業(兼業)制度はYMYL領域に該当し、各自治体・各任命権者の個別判断によって扱いが大きく異なります。最終的な許可の可否や税務上の判断は、必ず所属組織の人事担当・人事院・所轄税務署・税理士など正式な窓口に確認してください。本記事の内容を理由とした不利益について、当サイトは責任を負いかねます。


導入:「副業=禁止」の時代は終わりつつある——でも、設計を間違えれば処分対象

4月、人事から「副業申請の手引き」が配られた。表紙には「公益的副業」「非営利」「許可制」の文字が並んでいる。実家の田んぼの手伝いに月収5万円、夜の執筆活動に月3万円。「許可申請が通る範囲」と「税務上の扱い」を、エクセルと格闘しながら1人で組み立てている自分がいる。先週、同僚のAさんは申請が通らずモヤモヤを抱えていた。「動機を経済的理由だけで書いたのがまずかった」と人事課に言われたらしい。

——もし、この場面に心当たりがあるなら、本記事はあなたのために書かれています。

結論を先に述べます。

2024年〜2026年にかけて、国家公務員・地方公務員の副業制度は「設計次第で広がる」時代に入りつつあります。2025年6月の総務省通知、2025年12月の人事院発表(2026年4月施行予定の新制度)、神戸市・生駒市などの先進自治体事例が、その流れを後押ししています。一方で、「副業可能枠の見極め」と「申請書の書き方」を誤れば、不許可・懲戒のリスクは依然として存在します。

そこで本記事では、最新の制度動向を整理した上で、AIエージェント(ChatGPT・Claude・Gemini等)を使った副業設計・申請書ドラフト・税務整理の3軸を、プロンプト付きで公開します。所属の規定確認・人事課への事前相談を前提とした、「適法な許可取得」を支援する立場で構成しています。

本記事で扱わないこと: 「副業がバレない方法」「無断兼業の隠蔽」「住民税の普通徴収による回避テクニック」等。これらは懲戒処分の対象になり得るため、本記事のスコープ外とします。


1. 国家公務員の副業ルール:人事院規則14-8と2024年通知の現在地

P(結論):原則禁止だが、「公益的活動」「自営兼業の規模基準以下」は許可対象になり得る

国家公務員の副業(自営兼業・営利企業役員兼業など)は、国家公務員法第103条・第104条および人事院規則14-8で運用されています。原則は禁止ですが、所轄庁の長(または内閣総理大臣)の承認を得れば、一定範囲の副業が可能になる枠組みです。

R(理由):法令の構造と運用通知の積み重ね

1-1. 制度の根幹(現行)

  • 国家公務員法第103条:私企業からの隔離(営利企業の役員兼業・自ら営利企業を経営することの原則禁止)
  • 国家公務員法第104条:報酬を得て事業・事務に従事する場合の、内閣総理大臣および所轄庁の長の許可
  • 人事院規則14-8:営利企業の役員等との兼業の運用ルール

特に1-3で後述する「自営兼業の規模基準」は、不動産賃貸・太陽光発電・駐車場・農業などで具体的な数値基準が示されており、基準以下であれば承認対象外(=規制対象外)として扱われる運用とされています(出所:人事院規則14-8運用通知)。

1-2. 2024年通知(令和5/6年改定)の運用明確化

人事院は平成31年(2019年)3月28日に、昭和41年通知に定める許可基準を明確化する通知を発出しました。令和5年(2023年)4月に一部改定され、公益的活動を行うための兼業について、円滑な制度運用を図るための環境整備が進められたとされています(出所:内閣官房 内閣人事局「国家公務員の兼業について」概要資料)。

公益的活動の兼業は、報酬を得る場合でも、職務の公正・能率・品位を損なわない範囲で許可可能と整理されていますが、これは「すべての公益的活動が無条件に許可される」という意味ではなく、個別審査による判断が前提です。

1-3. 自営兼業の規模基準(参考値)

人事院規則14-8の運用通知では、自営兼業の判定基準として以下のような数値が示されているとされています(一般的な参考値であり、最新値は必ず人事院公式情報を確認してください)。

  • 不動産賃貸:独立家屋5棟以上、または区画10室以上 等
  • 太陽光発電:出力10kW以上
  • 駐車場・農業:一定の規模基準

これらの基準以上の場合は所轄庁長の承認が必要となり、基準以下の場合は規制対象外として扱われる運用が一般的とされています。

1-4. 兼業時間数の目安(参考)

国家公務員の兼業時間数は、週8時間・月30時間・1日3時間が運用上の目安とされている、との解説が複数の専門メディアで報じられています(出所:森・濱田松本法律事務所ニュースレター等)。これも一律基準ではなく、許可審査の参考値として扱われる傾向にある点に留意が必要です。

E(具体例):2026年4月施行予定の新制度(人事院 令和7/2025年12月19日発表)

人事院は2025年12月19日に、自営兼業制度の見直しを発表しました。施行は令和8年(2026年)4月1日とされており、新たに承認対象に加わる可能性のある事業区分として、以下が示されています(出所:人事院「自営兼業制度の見直しについて」報道発表)。

  1. 「職員の有する知識・技能をいかした事業」
  2. 手作り品の販売、スポーツ指導、美術関連教室 など
  3. 「社会貢献に資する事業」
  4. NPO支援、地方創生、農業 など

これまでの運用では「営利企業での勤務は原則として一切認められない」とされてきた一方、報酬についても「諸経費以下」または「無報酬」が原則だった部分が、新制度では「社会通念上相当と認められる程度を超えない額」として、許容範囲が明確化される見通しと整理されています(同前報道発表に基づく一般的な解説)。

ただし、施行時点での具体的な運用基準や個別事例の取り扱いは、所属省庁・所轄庁長の判断によって異なる可能性があります。「2026年4月から自由に副業ができるようになる」と単純化して理解するのは避け、施行後の運用通知・Q&A集を必ず所属人事担当に確認してください。

P(結論の再提示):国家公務員は「公益的活動」と「規模基準」の2軸で許可可能枠を見極める

——「自分のケースが許可基準を満たすか」は、最終的には任命権者(所轄庁長)の個別判断です。後述するAIエージェントは、この「一次判定」と「申請書ドラフト」までを支援するための補助ツールと位置づけてください。


2. 地方公務員の副業:自治体規定差と先進事例

P(結論):地方公務員法第38条が大枠を定めるが、運用は自治体ごとに大きく異なる

地方公務員の副業は、地方公務員法第38条第1項で「任命権者の許可なく、(1)営利企業の役員等を兼ねること、(2)自ら営利企業を営むこと、(3)報酬を得て事業・事務に従事すること」が禁止されています。一方、第2項では兼業許可基準を人事委員会規則で定めることが可能とされており、ここから自治体ごとの規定差が生まれています。

R(理由):2025年6月の総務省通知が「自治体差」を後押し

2-1. 2025年6月11日付 総務省通知(総行公第72号)

総務省自治行政局公務員部長から各都道府県知事・各指定都市市長・各人事委員会委員長宛てに、「営利企業への従事等に係る任命権者の許可等に関する留意事項について」(総行公第72号、令和7/2025年6月11日)が発出されました(出所:総務省公式PDF)。

主旨を要約すると以下のとおりです(一般的な解説の範囲で記述します)。

  • 基本3原則(公務能率・職務公正・品位保持)を満たす場合、各任命権者の判断で営利企業の従業員との兼業も可能であることを再確認
  • 「相反する利害関係の確認は、一律の基準ではなく個別具体的に判断」することの明確化
  • 報酬は「社会通念上相当と認められる程度を超えない額」が考えられる旨の明記
  • 各自治体に対し、許可判断の基準・手続きを明示・公表することを促す
  • 健康確保・人事異動時の再審査・有効期間の設定 等、運用上の留意点を提示

つまり、地方公務員の副業は「自治体ごとに基準が明確になっていく方向」に動いていると整理できます。

2-2. 兼業許可の3原則(地方公務員)

地方公務員の兼業許可における基本原則として、以下の3点が広く参照されています。

  1. 公務能率の確保:職務遂行に能率低下をもたらさないこと
  2. 職務の公正確保:相反する利害関係を生じないこと
  3. 職員・職務の品位の保持

申請書を書く際にも、この3原則を踏まえた記載が求められる傾向にあります(詳細は本記事「7. 申請が通る/通らないの分かれ目」で解説)。

E(具体例):神戸市・生駒市・静岡県の先進事例

2-3. 神戸市「地域貢献応援制度」(2017年4月開始・全国初)

神戸市は2017年4月、全国初の地域貢献応援制度を開始したとされています。背景には阪神・淡路大震災後の労働人口低下、NPO・地域復興団体の人手不足解消があるとされ、職員が報酬を得て公益的な地域活動に従事することを認める枠組みです(出所:神戸市公式情報・国立国会図書館調査と情報ISSUE BRIEF第1301号等)。

効果としては、人手不足解消だけでなく、職員育成(幅広い視野の獲得)も期待されている、との整理がなされています。

2-4. 生駒市(奈良県)

生駒市は2017年8月1日、神戸市制度を参考に「地域貢献活動を行う職員の営利企業等の従事制限の運用について」を導入しました(R7.4.1改正版が最新とされる)。対象活動はNPO活動・子どもへのスポーツ指導・その他の地域貢献活動など。

2018年8月には市外活動も認可し、若手職員にも申請対象を拡大したと公表されています(出所:生駒市公式サイト・問い合わせ先:生駒市総務部人事課 0743-74-1111)。

2-5. 静岡県「LGX型兼業」

静岡県は「県職員の営利企業への従事等~静岡県庁LGX型兼業~」として、地域貢献を軸にした兼業制度を運用しているとされています(出所:静岡県公式サイト)。LGXは “Local Government Transformation” の略と紹介されており、地域課題への職員の関与を制度化する試みと位置づけられています。

2-6. 自治体規定差のポイント

  • 許可基準(報酬上限・活動時間上限・対象活動範囲)は自治体ごとに大きく異なります
  • 公益的活動限定の自治体と、営利企業勤務も含む自治体まで幅があるとされます
  • 国立国会図書館 調査と情報 ISSUE BRIEF 第1301号(2024.12.19)「地方公務員の副業・兼業」が全国動向を整理しています

P(結論の再提示):「神戸市・生駒市と同じだろう」と思い込まず、自分の自治体規程を必ず確認

——参考事例はあくまで参考であり、所属自治体の規程が最終基準です。冒頭でも警告した通り、所属人事課への事前相談は必須と考えてください。


3. 公益的副業のリアルな事例:NPO・農業・地方創生・執筆

P(結論):「経済的動機だけ」ではなく「公益性・社会貢献」を軸にする副業は許可されやすい傾向

公務員の副業申請で許可されやすい類型は、調査範囲では概ね以下のように整理されています。

R(理由):3原則(公務能率・公正・品位)と整合する活動が選ばれやすい

任命権者は、申請内容が3原則と矛盾しないかを審査します。営利性が強く、職務との利害関係が疑われる活動は、不許可になりやすい傾向にあります。

E(具体例):許可されている/許可される傾向のある公益的副業の類型

3-1. 国家公務員で許可される公益的活動例(一般論)

  • 営利目的でない社会福祉サービス
  • 市区町村の地域交流イベントの実施・提供
  • NPO法人での活動(報酬は諸経費以下とされる運用)
  • 公益財団法人・社団法人での非常勤役員

3-2. 地方公務員で許可されやすい公益的副業の典型例

  • NPO支援(地域復興・福祉・子育て支援等)
  • 農業(家族農業・地域農業支援・農産物販売)
  • 地方創生(地域おこし・観光振興・空き家活用)
  • 教育・スポーツ指導(子どもへのスポーツ教室・学習支援)
  • 講師・執筆(自身の専門性を活かした講演・専門誌寄稿)
  • 手工芸・芸術(手作り品販売・美術関連教室)※2026年4月以降は国家公務員も対象に加わる見通し

3-3. 2026年4月以降に拡大が見込まれる領域

  • 個人スキルを活かした自営(ハンドメイド販売・スポーツインストラクター・アート関連教室)
  • AIスキルを活かした活動(プロンプト設計講座・AI活用研修等)
  • ただし公務との利益相反審査は厳格に行われると想定されます。例えば「自部署の業務に直結するAI研修を有償で提供する」「許認可関係先の企業向けに研修する」などは、利害関係の観点で不許可となる可能性があります。

P(結論の再提示):「公益性」「専門性」「公務との利害関係なし」の3条件で副業候補を絞る

「自分のスキル × 公益貢献 × 公務との独立性」の重なりが見える副業は、申請書も書きやすく、通る確率も相対的に高い傾向にあると考えられます。次章では、この絞り込みをAIエージェントで支援する方法を解説します。


4. AIエージェント設計の3軸:合規性スクリーニング・申請文書生成・税務整理

P(結論):AIエージェントは「副業設計の壁打ち」「申請書ドラフト」「税務シミュレーション」の3軸で活用できる

ChatGPT・Claude・Gemini などのAIアシスタントは、規程文書の読解、申請書のドラフト生成、税務試算といったホワイトカラー作業を補助する用途で、副業設計の効率を高める可能性があります。

ただし、AIが「許可可能」と判断したからといって、それが実際の許可を保証するものではありません。最終責任は職員本人にあり、所属人事課への事前相談と提出前の事実確認は省略できません。

R(理由):副業設計は「複数の文書・規定・制度」を横断する作業だから

副業設計には、以下の情報を横断する必要があります。

  • 国家公務員法 / 地方公務員法 の関連条文
  • 人事院規則14-8 / 各自治体の人事委員会規則
  • 所属組織の兼業許可申請書様式
  • 確定申告・住民税の取り扱い
  • 過去の懲戒事例・不許可事例
  • 自身のスキル棚卸し・希望副業の整理

これらを1人で組み立てるには時間がかかります。AIアシスタントは、規程の要約・申請書のひな形作成・税務試算といった部分で時間短縮の効果が期待できる、というのが現時点での一般的な評価です。

E(具体例):AIエージェント活用の3軸

軸①:副業候補の合規性スクリーニング

自治体規程PDFをAIに読み込ませ、自身の希望副業が「許可可能性が高いか・低いか」を一次判定します。例えば、所属自治体の兼業許可基準PDFをアップロードし、「私が検討している◯◯活動は許可基準を満たすか、判定理由と一緒に出力してください」と質問する使い方です。

軸②:申請書ドラフトの自動生成

通る申請書の構造(数値で示す従事時間・利害関係の整理・公益性アピール)を反映したプロンプトで、申請書ドラフトを生成します。詳しいプロンプトは次章で公開します。

軸③:税務処理の整理

想定収入から確定申告の要否(20万円ルール)、住民税の影響を試算します。事業所得・雑所得の区分判定もAIで一次整理が可能です。ただし、最終的な税務判断は税理士・所轄税務署に確認することが推奨されます。

AI活用時の注意点(必ず確認)

  • AI生成文面はそのまま提出しない。所属人事課への事前相談+自身による事実確認後に提出する
  • 個人情報・所属組織の機密情報をAIに入力しない(特に無料のクラウドAI)
  • 自治体・部署で生成AI利用に関する規程がある場合は遵守する(多くの自治体で業務利用ガイドラインあり)
  • AI出力の事実誤認リスク(特に最新の規程改正、自治体ごとの規程差)に注意する
  • 「AIが許可可能と判断した」は不許可の弁明にならない。最終責任は職員本人

P(結論の再提示):AIは「考えるたたき台」、最終判断は人事課と自分

AIエージェントは副業設計の補助輪です。次章で、具体的なプロンプトを公開します。

スキマ時間でのAI活用全般については「会社員のスキマ15分AI活用」記事も参考になります(読者層は会社員向けですが、公務員の方が「勤務時間外の時間設計」を考える際にも応用できる視点が含まれます)。


5. 完全公開プロンプト集:合規性チェック・申請書ドラフト・確定申告準備

P(結論):以下の3本のプロンプトをコピペすれば、副業設計の初稿が30分で揃う

ここからは、実務でそのままコピペして使えるプロンプトを3本公開します。いずれもAI出力の事実確認・人事課事前相談を前提として活用してください。


プロンプト1:副業合規性チェックプロンプト

あなたは公務員の兼業制度に詳しい人事アドバイザーです。
以下の前提情報をもとに、私が検討している副業活動が、所属組織の兼業許可基準
を満たす可能性が高いか低いかを判定してください。

# 前提情報
- 所属:[国家公務員 or 地方公務員(自治体名)]
- 役職:[一般職員 / 主任 / 係長 等]
- 担当業務:[現職の業務内容を3行で]
- 検討している副業:[活動内容・想定報酬・想定時間]
- 副業先:[団体名・性質(NPO / 個人事業 等)]

# 判定してほしい観点
1. 公務能率の確保(職務遂行に支障が出る可能性)
2. 職務の公正確保(利害関係の有無)
3. 職員・職務の品位の保持
4. 報酬水準(「社会通念上相当と認められる程度」を超えないか)
5. 従事時間(週8時間・月30時間目安に収まるか)

# 出力フォーマット
- 判定(許可可能性:高 / 中 / 低)
- 判定理由(観点ごとに)
- 申請時に強調すべきポイント
- 申請時に避けるべき記載(リスクポイント)
- 所属人事課に事前確認すべき項目リスト

なお、最終判断は所属組織の任命権者によること、本判定はあくまで参考である
ことを明記してください。

プロンプト2:副業申請書ドラフトプロンプト

あなたは公務員の兼業許可申請書の作成経験が豊富な行政書士です。
以下の情報をもとに、所属長・人事課を経由して任命権者に提出する兼業許可
申請書のドラフトを作成してください。

# 申請者情報
- 所属:[部署名]
- 役職:[役職]
- 氏名:[フルネーム or 仮名]

# 副業の概要
- 活動内容:[具体的に]
- 副業先:[団体名・連絡先]
- 期間:[開始日〜終了日 or 通年]
- 従事時間:[週◯時間 / 月◯時間 / 土日のみ等]
- 報酬:[月◯円 or 諸経費以下]

# 申請書に含めるべき要素
1. 職務専念義務への影響なし(数値で示す)
   - 「すべて勤務時間外(休日・時間外)に限定」
   - 「土日祝日のみ、月最大◯時間」と数値で明示
2. 利害関係なし
   - 「本事業は現職の担当業務と関係する分野ではなく、特別な利害関係は
     生じない」
3. 公務の信頼性を損なわない
   - 「本事業の内容は公務員の品位を損なうものではなく、公務への信頼を
     傷つけるおそれはない」
4. 公益性・社会貢献の側面(1〜2文)
   - 「地域◯◯の課題解決に貢献する」「次世代への教育的価値がある」等
5. 健康確保への配慮
   - 「過重な負担にならないよう従事時間を管理する」

# 出力フォーマット
- 申請書ドラフト本文(敬語・公式文書のトーン)
- 添付書類リスト(業務内容説明書・契約書・上司意見書 等の候補)
- 提出前チェックリスト(数値の整合性・利害関係の説明 等)

なお、最終的な様式は所属組織指定のものを使用し、人事課への事前相談を
必ず行うこと、AI出力はあくまでたたき台であることを明記してください。

プロンプト3:確定申告準備プロンプト

あなたは公務員の副業所得の税務処理に詳しい税理士アシスタントです。
以下の情報をもとに、確定申告・住民税申告の要否と、所得区分(事業所得 /
雑所得)の一次判定を行ってください。

# 副業の収支情報
- 副業の種類:[活動内容]
- 年間収入見込み:[◯◯円]
- 必要経費見込み:[◯◯円]
- 帳簿付けの有無:[有 / 無]
- 継続性:[単発 / 月次継続 / 年間継続]
- 規模感:[小規模 / 中規模]

# 判定してほしい観点
1. 確定申告の要否(給与所得者の20万円ルール)
2. 住民税申告の要否(20万円特例なし)
3. 所得区分(事業所得 / 雑所得)の一次判定
   - 国税庁の通達(令和4年改正)により、帳簿書類保存があれば原則事業
     所得として認められる傾向がある旨を踏まえる
4. 青色申告特別控除(最大65万円)の活用可能性
5. 必要な準備(開業届・帳簿様式・経費レシート保管等)

# 出力フォーマット
- 確定申告要否
- 住民税申告要否
- 所得区分の判定(理由付き)
- 必要な準備リスト(時系列で)
- 税理士・税務署に確認すべき項目リスト

なお、最終的な税務判断は所轄税務署・税理士に相談すること、本判定は
あくまで参考であることを明記してください。

P(結論の再提示):3本のプロンプトを順番に回すと、副業設計の初稿が見える

ただし、繰り返しになりますが、AIの出力をそのまま提出することは避けてください。人事課事前相談 → 事実確認 → 自身の言葉で書き直す、という工程を必ず挟むことが、許可取得への最短ルートと考えられます。


6. 申請が通る/通らないの分かれ目:5つの記載ポイント

P(結論):通る申請書は「数値・利害関係なし・公益性」を具体的に書いている

調査範囲で確認できた「通る申請書」の特徴は、概ね以下の5点にまとめられます(出所:森・濱田松本法律事務所ニュースレター、公益財団法人 東京市町村自治調査会「公務員の副業・兼業に関する調査研究報告書」等の整理に基づく一般的な傾向)。

R(理由):審査側は「3原則と矛盾しないか」を読みに来るから

任命権者・人事課は、申請書から「公務能率・職務公正・品位保持の3原則が守られるか」を読み取ろうとします。曖昧な記述では判定できないため、数値と具体性が重要になります。

E(具体例):5つの記載ポイント

ポイント1:職務専念義務への影響なしを「数値」で示す

  • 「従事時間はすべて勤務時間外(休日・時間外)に限定」
  • 「土日祝日のみ、月最大15時間」
  • 「週8時間・月30時間目安を超えない」

ポイント2:利害関係なしを「業務との関連で」明示する

  • 「本事業は現職の担当業務(◯◯課)と関係する分野ではなく、特別な利害関係は生じない」
  • 「副業先◯◯団体は、当局の許認可・取引相手ではない」

ポイント3:公務の信頼性を損なわないことを1文で明記

  • 「本事業の内容は公務員の品位を損なうものではなく、公務への信頼を傷つけるおそれはない」

ポイント4:公益性・社会貢献の側面を1文添える

  • 「地域の高齢者向け学習支援に貢献する」
  • 「次世代への教育的価値がある」
  • 「地域経済の活性化に資する」

ポイント5:健康確保への配慮を書く

  • 「過重な負担にならないよう従事時間を管理する」
  • 「公務に支障が出ないよう、月次で自己点検を行う」

通らない申請書の典型パターン(避けるべき)

  • 「副収入が欲しい」と動機を経済的理由のみで書く
  • 業務内容が抽象的(「コンサルティング」等で具体性なし)
  • 従事時間が不明確・過大(週20時間超等)
  • 兼業先と自身の職務の利害関係が説明されていない
  • 公益性・社会貢献の視点が皆無

P(結論の再提示):「数値・関係なし・公益性」の3点セットが分かれ目

「動機が金銭的だから不許可」ではなく、「動機が金銭的にしか書かれていないから不許可になりやすい」と理解するのが正確です。経済的事情があっても、公益性と整合する形で副業を選び、その意義を申請書で示すことが許可取得への道筋と考えられます。

議会対応や住民問い合わせ対応にAIを活用している方は、公務員向けAI業務効率化記事もあわせて確認しておくと、副業申請書の作成スキルとも親和性が高いはずです。


7. 失敗パターン:無断兼業・公務優先違反・名義役員

P(結論):「無断・抽象・過大・利益相反・品位欠如」のいずれかに該当すると、減給・戒告のリスク

人事院・自治体の懲戒事例集を見ると、不許可・懲戒の典型パターンは概ね以下の5類型に分けられます。

R(理由):3原則と「無断であること」が処分の根拠になる

人事院・任命権者は、3原則違反だけでなく「許可なく副業を行ったこと」自体を処分の根拠にすることがあります。事例18(人事院公表)では、任命権者の許可を得ることなく勤務時間外に飲食店でアルバイトした職員が減給処分を受けたとされています(出所:人事院「兼業違反 懲戒処分事例集」)。

E(具体例):5つの典型失敗パターン

パターン1:無断兼業

  • 許可を得ずに副業を始めた → 減給・戒告の対象
  • 「バレなければ大丈夫」は通用しない。住民税の特別徴収で発覚するケースが多い

パターン2:抽象的な業務内容

  • 「コンサルティング」「アドバイザー」など、内容が特定できない記載
  • 不許可になりやすい・許可後も再審査リスクが高い

パターン3:過大な従事時間

  • 週20時間超など、公務能率に明らかに影響する時間設計
  • 不許可の典型

パターン4:利益相反(許認可・取引相手)

  • 自部署の許認可先・取引先で副業 → 不許可
  • 名義のみの営利企業役員兼業 → 兼業に該当し禁止

パターン5:品位を欠く業種

  • 風俗・賭博関連等、公務員の信用を傷つけるおそれがある業種 → 不許可

「バレない方法」を探さず、許可取得を目指す姿勢が結局は最短

  • 適法な許可を取得すれば、隠す必要はありません
  • 住民税の徴収方法を工夫して隠す行為は、それ自体が懲戒事由になり得るとされます
  • 適法な許可取得 → 公明正大に副業 → キャリアの選択肢を広げる、という流れが本記事の推奨スタンスです

P(結論の再提示):失敗パターンは「事前に潰せる」もの

5つの失敗パターンはいずれも、事前の申請書設計と人事課相談で回避可能です。AIエージェントによる申請書ドラフトと組み合わせれば、リスクを大きく下げられる可能性があります。


8. もし副業申請が難しい場合:転職・キャリアの選択肢も視野に

副業申請を検討する過程で、「そもそも今の所属で公益的副業の選択肢が狭い」「人事異動が多くて副業継続が難しい」といった構造的な悩みに突き当たる方もいます。その場合、副業ではなく転職を含めた働き方の再設計を視野に入れることも一つの選択肢です。

例えば、製造業や民間企業出身者向けの自己分析・キャリア棚卸しの考え方は、公務員のキャリア再設計にも応用できる場合があります。ChatGPTを使った自己分析・転職準備の記事では、AIを使った職務経歴の棚卸し方法を解説しています。

「副業可能な民間企業」「公務員経験を活かせる再就職先」を探す場合、転職サービスへの会員登録が情報収集の一助となります。

→ リクナビNEXTで副業可能な再就職先を探す

※転職をすぐに決める必要はありません。情報収集として登録しておくと、市場感が見えてきます。

また、副業準備としてAI活用スキル・プロンプト設計スキルを高めておくと、「自分の知識・技能をいかした事業」(2026年4月施行予定の新区分)への応用がしやすくなります。

→ Udemyの副業準備講座を見る

※公務員の副業として「AI活用研修・プロンプト設計講座」を提供する場合も、公務との利益相反審査は厳格に行われると想定されます。所属人事課への事前相談を必ず行ってください。


9. まとめ:副業設計はAIで効率化、最終判断は人事課と自分

本記事の要点(再整理)

  • 2024〜2026年は公務員副業の制度緩和期:2025年6月の総務省通知、2025年12月の人事院新制度発表(2026年4月施行予定)で、「設計次第で広がる」時代に入りつつある
  • ただし、「絶対に許可される副業」は存在しない。最終的な許可の可否は、任命権者の個別判断
  • AIエージェントは副業設計の補助輪:合規性スクリーニング・申請書ドラフト・税務整理の3軸で活用できる
  • 通る申請書の5要素:数値で示す従事時間・利害関係なし・品位保持・公益性・健康確保
  • 失敗5パターン:無断兼業・抽象的業務・過大時間・利益相反・品位欠如
  • AI出力はそのまま提出しない:人事課事前相談 → 事実確認 → 自分の言葉で書き直す

次に取るべき1つのアクション

  1. 所属組織の兼業許可申請書様式をダウンロードする
  2. 国家公務員:所轄庁の人事担当に確認
  3. 地方公務員:所属自治体の人事委員会規則・人事課窓口に確認
  4. 本記事のプロンプト1(合規性チェック)を実行する
  5. 自分の希望副業が「許可可能性が高いか低いか」を一次判定
  6. 所属人事課に事前相談する
  7. AI出力をたたき台に、口頭またはメールで非公式に相談
  8. 必要に応じてプロンプト2(申請書ドラフト)に進む

最後に:YMYL再確認

【繰り返しの重要なお願い】
本記事は2026年5月時点の公開情報に基づく一般的な解説です。公務員の副業(兼業)制度は、各任命権者の個別判断・各自治体の規程によって扱いが大きく異なります。最終的な許可の可否・税務上の判断は、必ず所属組織の人事担当・人事院・所轄税務署・税理士など正式な窓口に確認してください。AIエージェントの出力はあくまで参考であり、本記事の内容を理由とした不利益について当サイトは責任を負いかねます。


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主な出所一覧

  • 人事院「人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」
  • 人事院「自営兼業制度の見直しについて」(令和7/2025年12月19日発表、令和8/2026年4月1日施行予定)
  • 人事院「一般職の国家公務員の兼業について(Q&A集)」
  • 内閣官房 内閣人事局「国家公務員の兼業について(概要)」(平成31年3月、令和5年4月一部改定)
  • 総務省「総行公第72号 営利企業への従事等に係る任命権者の許可等に関する留意事項について」(令和7/2025年6月11日)
  • 総務省「地方公務員の兼業について」第1〜4回分科会資料(令和6〜7年)
  • 国立国会図書館 ISSUE BRIEF 第1301号「地方公務員の副業・兼業」(2024.12.19)
  • 生駒市「地域貢献活動を行う職員の営利企業等の従事(副業)について」
  • 静岡県「県職員の営利企業への従事等~静岡県庁LGX型兼業~」
  • 人事院「兼業違反 懲戒処分事例集」
  • 森・濱田松本法律事務所「公務員の兼業許可に関する最新動向と留意点」
  • 公益財団法人 東京市町村自治調査会「公務員の副業・兼業に関する調査研究報告書」(2020年3月)

(最終アクセス:2026年5月19日)


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