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最終更新日:2026年6月13日

【2026年版】中小企業のAI活用 公的統計ダッシュボード|導入率・生成AI利用率を出典付きで一覧

提案資料の締め切り前夜、AI導入率の数字を貼ろうとして、ふと手が止まった——そんな経験はないでしょうか。

ある資料に「中小企業のAI導入率は20.4%」と書かれ、別の資料には「企業のAI活用は49.7%」とありました。どちらも公的調査に基づく正しい数値です。けれど、片方を「導入率」、もう片方も同じ「導入率」として横に並べると、読み手は混乱します。

実はこの2つは、出所も母数も別物です。20.4%は中小企業基盤整備機構『中小企業のAI等の利活用に係る実態調査』(2026年3月)の「AI導入率」です。これは中小企業のうち、実際にAIを導入した割合を指します(「全社的に導入」+「一部の業務で導入」の合計)。一方の49.7%は、総務省『令和7年版 情報通信白書』の数値です。これは生成AIの活用方針(「積極的に活用する」+「領域を限定して活用する」)を定めた企業の割合です。調査も、母数(中小企業か企業全般か)も、対象(AI全般か生成AIか)も、年も違います。これを同じ「導入率」として並べると、真逆の印象を与えかねません。出典は中小機構の調査(実態調査ポイント・PDF)と、総務省『令和7年版 情報通信白書』(企業におけるAI利用の現状)です。

この記事は、中小企業のAI活用にまつわる公的統計を、調査名・発行元・刊号・主要数値・一次URLの形で並べた「出典の中継地点」です。数値を盛らず、足さず、検証済みの値だけを並べました。引用するときは、必ず各数値の隣にあるリンク先(一次ソース)まで確認してから使ってください。


この記事の使い方と【全調査クイックサマリー早見表】

結論から言うと、AI関連の統計は「個人か企業か」「導入か検討か」「いつの調査か」の3点で意味が変わります。引用前にこの3点を確認すれば、誤引用のほとんどは防げます。

使い方は3ステップです。

  1. 下の早見表で、必要な数値の「発行元・刊号・年」を確認する
  2. 該当するH2セクションに飛び、母数(個人/企業、全国/規模別)を読む
  3. 各セクション末尾の一次URLを開き、原典のページで数値を確かめてから引用する

全調査クイックサマリー早見表

# 調査名 発行元 最新刊号・調査時点 主要数値(母数を明記) 一次URL
AI等の利活用に係る実態調査 中小企業基盤整備機構 2026年3月 中小企業のAI導入率 20.4%(全社的+一部業務で導入。母数:中小企業) リンク
情報通信白書(生成AI活用方針) 総務省 令和7年版 生成AIの活用方針を定めた企業 49.7%(積極活用+限定活用。母数:企業) リンク
情報通信白書(個人の生成AI利用) 総務省 令和7年版/2024年度調査 個人の生成AI利用経験率 日本26.7%(前年9.1%) リンク
情報通信白書(国際比較) 総務省 令和7年版/2024年度調査 米国68.8%/中国81.2%/ドイツ59.2% リンク
情報通信白書(企業の利用) 総務省 令和7年版 企業の業務での生成AI利用率 日本55.2% リンク
AI導入率(日米比較) IPA(情報処理推進機構) DX白書2023(FY2022データ) AI導入率 日本22.2%/米国40.4% リンク
中小企業白書 中小企業庁 2024年版 DX取組済み・検討中の中小企業 42.0%(前回31.2%) リンク
ものづくり白書 経済産業省ほか 2024年版 製造業のデジタル技術活用 2019年5割弱→2023年8割超 リンク
能力開発基本調査 厚生労働省 令和6年度(2025年6月公表) OFF-JT受講労働者 37.0%(+2.7pt) リンク
人手不足調査 日本商工会議所・東京商工会議所 2024年1月/回答2,988社 中小企業の人手「不足」65.6% リンク
中小企業白書(人手不足) 中小企業庁 2024年版 人手不足の構造を併記 リンク

※【混同注意・この表の核】「AI導入率」は2つあり、別物です。中小機構の20.4%は2026年3月・母数は中小企業です。一方、IPA(②行)の22.2%は『DX白書2023』・調査時点はFY2022・日米比較が母数です。年も母数も違うため、表だけ見て同じ「AI導入率」として並べないでください。引用時は必ず「20.4%=中小機構2026年3月」「22.2%=IPA・DX白書2023(FY2022)」と発行元と時点をセットで書きます。

※★行の49.7%(総務省・生成AIの活用方針を定めた企業)と、①行の26.7%(個人の生成AI利用)・55.2%(企業の業務利用)は、いずれも別の指標です。「方針を定めた」と「実際に使った」は意味が異なるため、混ぜずに引用してください。

※⑤の人手不足調査は省庁ではなく業界団体(日商・東商)の調査です。引用時は「日商・東商調査(2024年1月)」と明記し、中小企業白書を併記すると客観性が高まります。

主要4白書のAI関連数値を領域別に集約したクイックサマリー早見表の図

このセクションで使った一次ソース:総務省 情報通信白書 令和7年版(個人)同(企業)


① 生成AIの利用率(個人・企業・国際比較)

まず押さえたいのは「個人の利用」と「企業の業務利用」は別の数字だという点です。混同すると引用がぶれます。

個人の生成AI利用率(日本)

総務省『令和7年版 情報通信白書』によると、日本の個人の生成AI利用経験率は26.7%(2024年度)です。前年度の9.1%から約3倍に伸びました。年代別では20代が44.7%で最も高く、60代が最も低いという結果です。年代差が大きいので、社内説明では「全体平均」と「年代別」を分けて示すと誤解を防げます。

引用例:個人の生成AI利用経験率は26.7%(総務省『令和7年版 情報通信白書』2024年度調査)。

国際比較(2024年度)

同じ白書の国際比較では、米国68.8%、中国81.2%、ドイツ59.2%でした。日本の26.7%と並べると差は明確です。ここで注意したいのは「最も高いのは中国(81.2%)」である点です。フランスではありません。比較の文脈で国名を取り違える誤引用が起きやすいので、原典で必ず確認してください。

企業の業務での生成AI利用率(日本)

企業側を見ると、日本企業の業務での生成AI利用率は55.2%です。個別業務では「メール・議事録・資料作成補助」が47.3%でした。日本企業の期待効果は「業務効率化・人手不足解消」が最多です。個人の26.7%と企業の55.2%は母数が違うので、同じ「利用率」として並べないのが鉄則です。

生成AI利用率の日本26.7%と米国68.8%・中国81.2%・ドイツ59.2%を比較した国際比較バーの図

このセクションの一次ソース:総務省 情報通信白書 令和7年版(個人・国際比較)同(企業)


② AI/IT導入率・日米比較(年次の注記が必須)

「AI導入率」は、引用時に年次の注記を必ず添えるべき数値です。理由は、よく使われる日米比較が少し前のデータだからです。

IPA(情報処理推進機構)のデータでは、AI導入率は日本22.2%、米国40.4%です。日米でおよそ2倍の差があります。

ただし重要な注記があります。この日本22.2%・米国40.4%という数値は『DX白書2023』に基づくもので、調査時点はFY2022(2022年度)です。引用するときは「DX白書2023(FY2022データ)時点の値」と必ず添えてください。AI分野は変化が速く、より新しい動向はIPA『DX動向2025』で確認できます。古い数値を「最新」として出すと、提案資料の信頼性を損ないます。

引用例:AI導入率は日本22.2%/米国40.4%(IPA『DX白書2023』、FY2022データ。最新動向はIPA『DX動向2025』を参照)。

なお、導入率の低さは裏を返せば伸びしろです。補助金を使った導入の全体像は、別記事の中小企業のAI補助金・支援完全マップ2026に制度横断でまとめています。

このセクションの一次ソース:IPA DX白書2023(AI導入率22.2%・40.4%の出典)IPA DX動向2025(最新動向)


③ 中小企業のDX進捗・製造業のデジタル活用

DXは「導入率」より「取組済み+検討中」で語られることが多く、ここでも母数の確認が要ります。

中小企業のDX進捗

中小企業庁『中小企業白書(2024年版)』によると、DXに「取組済み・検討中」の中小企業は42.0%でした。前回の31.2%から10.8ポイント上昇しています(白書が引用する中小機構「中小企業のDX推進に関する調査」に基づく値)。この42.0%は「検討中」を含む数字です。冒頭で20.4%と49.7%が別物だったのと同じく、「実際に導入した割合」と「取組済み・検討中まで含めた割合」は必ず分けて引いてください。最新版は2025年版の白書でも確認できます。

製造業でDXをどう始めるかは、中小製造業のDXの始め方で具体的な手順を解説しています。

製造業のデジタル活用

経済産業省ほか『2024年版 ものづくり白書』によると、製造業のデジタル技術活用は2019年の5割弱から2023年には8割超へ拡大しました。一方で、RPA・AI・ビッグデータといった技術は、従業員300人以下の企業で活用度が低く、規模間の格差が広がっています。「8割超が活用」という見出しだけを引くと実態を見誤るので、「規模間格差が拡大している」という但し書きをセットにするのが誠実な引用です。

このセクションの一次ソース:中小企業庁 中小企業白書2024年版同 2025年版経済産業省 ものづくり白書2024(概要PDF)


④ 人材育成・リスキリングの実態

AIを導入しても、使いこなす人がいなければ定着しません。人材育成の統計は、その「定着の土台」を測る数字です。

厚生労働省『令和6年度 能力開発基本調査』(2025年6月公表)の主な数値は次のとおりです。

指標 数値 前年差
OFF-JT受講労働者 37.0% +2.7pt
自己啓発を行った労働者 36.8% +2.4pt
OFF-JTまたは自己啓発を実施 46.9% +3.1pt
計画的OJT実施事業所(正社員対象) 61.1%
一人当たり教育訓練費(OFF-JT) 1.5万円

※OFF-JTとは、通常の業務を離れて行う研修・教育訓練(集合研修やeラーニングなど)を指します。

数字を読むと、研修や自己啓発に取り組む人は半数弱(46.9%)にとどまります。AI活用を広げたい企業ほど、この土台づくりが課題になります。

リスキリングの全体設計はAIリスキリング・キャリアガイド、製造業向けのスキルマップは製造業のAI人材育成スキルマップで整理しています。

非IT職の方が独学でAIスキルを身につけ、収入アップや社内での評価につなげたい場合は、専門知識ゼロから学べる講座を伴走役にする選択肢もあります。書類ではなく実務でのAI活用に絞って学べる講座は、最初の一歩を軽くしてくれます。未経験からAI活用!収入アップ実践講座(無料の資料・相談から)(PR)

このセクションの一次ソース:厚生労働省 令和6年度 能力開発基本調査


⑤ 人手不足=省力化AI投資の動機

なぜ中小企業がAIに向かうのか。その最大の動機の一つが人手不足です。ここでデータの出所に注意が要ります。

日本商工会議所・東京商工会議所の調査(2024年1月、回答2,988社)によると、中小企業で人手が「不足」していると答えた割合は65.6%でした。業種別では次のとおりです。

業種 人手「不足」の割合
建設 78.9%
運輸 77.3%
介護・看護 76.9%
製造 57.8%

この調査は省庁ではなく業界団体(日商・東商)によるものです。引用するときは「日商・東商調査(2024年1月)」と発行元を明記し、中小企業庁の白書を併記すると客観性が増します。人手不足が深刻な業種ほど、定型業務を省力化するAI投資の動機が強くなります。学習コストとの兼ね合いはAI学習の費用比較も参考になります。

このセクションの一次ソース:日本商工会議所 人手不足調査(2024年1月)中小企業庁 中小企業白書2024年版(人手不足)


⑥ 統計の正しい引用・出典表記ガイド

最後に、この記事の核です。せっかくの数字も、出典表記を誤ると説得力が落ち、ときに規約違反になります。商用記事・提案資料で安全に引用するためのテンプレと注意点をまとめます。

出典表記テンプレ(コピーして使えます)

統計を引用するときは、次の4要素を必ず添えます。「数値+発行元+刊号/調査時点+母数」です。

【本文中の表記テンプレ】
○○は△△%でした([発行元]『[白書・調査名][刊号/年]』、[調査時点]、母数:[個人/企業・全国/規模別])。

【記事末・資料末の出典一覧テンプレ】
・[発行元]『[白書・調査名][刊号]』[調査時点]
 URL:[一次ソースのURL](最終閲覧日:YYYY年MM月DD日)

記入例:

個人の生成AI利用経験率は26.7%でした
(総務省『令和7年版 情報通信白書』、2024年度調査、母数:個人)。

・総務省『令和7年版 情報通信白書』2024年度調査
 URL:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd112210.html
 (最終閲覧日:2026年6月13日)

引用時の3つのチェックポイント

  • 母数を書く:個人か企業か、全国か規模別かを必ず添える
  • 年・刊号を書く:とくにAI導入率は「DX白書2023(FY2022)」のように調査時点を明記する
  • 導入と検討を分ける:「導入率」と「取組済み・検討中」を同じ数字として並べない

政府統計の利用ルール(要確認)

政府の白書・統計データの多くは「政府標準利用規約」に沿って公開されており、出典を明記すれば、商用を含めて利用できるのが一般的です。ただし次の点に注意してください。

  • 出典の明記が前提条件です。発行元・調査名・URLを必ず記載します。
  • 数値を編集・加工して図表を作る場合は、「○○の数値を基に筆者作成」など、編集・加工した旨を記載します。
  • 第三者の著作物(白書中の引用図版など)が含まれる場合、その部分は別途権利者の許諾が必要なことがあります。
  • 各府省・各調査ごとに利用条件が異なる場合があるため、引用前に各サイトの利用規約ページを確認します。

詳しい条件は各府省サイトの利用規約に従ってください(例:総務省 情報通信白書 令和7年版IPA DX動向2025中小企業庁 中小企業白書2025年版)。


まとめ:現在地を正しく引いて、次の一歩へ

中小企業のAI活用の「現在地」を、誤解なく引けるよう整理しました。要点は3つです。

  • 個人の生成AI利用は26.7%、企業の業務利用は55.2%。母数が違うので分けて引く
  • AI導入率(日本22.2%)は「DX白書2023・FY2022」の値。年次を必ず添える
  • DXは「取組済み・検討中で42.0%」。導入と検討を混ぜない

なお、本文冒頭の20.4%とここでの22.2%は、別調査・別母数・別年の数値です。20.4%は中小機構(2026年3月・母数は中小企業)、22.2%はIPA(DX白書2023・FY2022・日米比較)の値です。どちらも正しい「AI導入率」ですが、必ず発行元と調査時点を添えて引いてください。

これらを出典付きで正しく引くだけで、提案資料も記事も一段説得力が増します。次の一歩として、自社が「導入2割」側か「検討込み」側かを見極め、足りないのが制度知識なら補助金マップ、人材ならリスキリングガイドへ進んでください。業種別の具体的なAI活用事例は業種別AIエージェント完全カタログ2026に網羅しています。

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統計は、盛らず・足さず・出典とともに。この記事をブックマークし、引用のたびに各数値の一次ソースを開いて確かめてから使ってください。

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