介護施設のケアプランドラフトを自動生成するAIエージェント【ケアマネ・介護支援専門員向けプロンプト完全公開2026年版】

月末の更新ラッシュ。今月は12件のケアプランを書き直さないといけない。施設サービス計画書(第2表)の「援助目標」の欄を前に、また似たような文章を繰り返している自分に気づいた——「現状維持を図り、安全な生活を送ることができる」。夜10時。ナースコールの音が廊下から聞こえてくる。書類の山は減らない。

このような月末の書類地獄に追われているケアマネジャーに向けて、この記事ではChatGPTを活用したケアプランドラフト自動生成のプロンプトを完全公開します。利用者情報・ADL・ニーズメモを入力するだけで、施設サービス計画書(第1表・第2表)のドラフト文案を生成できる活用例をご紹介します。

重要なご注意: ケアプランは介護保険法に基づく法的文書であり、利用者の生活を左右する重要な計画書です。AIの出力はあくまでドラフト(下書き)であり、最終的な内容の確認・作成責任は担当ケアマネジャー(介護支援専門員)が負います。AIを「ドラフト生成ツール」として位置づけ、専門的判断は必ず人間が行ってください。


ケアマネの書類作業はなぜこれほど重いのか

担当件数と書類量のギャップ

居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、介護報酬の逓減制(報酬が段階的に下がる制度)の基準として、おおむね1人あたり35件前後の担当が目安とされてきました(2024年度介護報酬改定後、逓減制の基準は44件に変更されています)。

この担当件数に対し、毎月発生する書類業務は膨大です。

  • モニタリング記録(毎月、全担当利用者分)
  • ケアプラン更新(6ヶ月または年1回の見直し)
  • 担当者会議の議事録
  • アセスメントシート
  • 給付管理票・請求書類

なかでも施設サービス計画書(第1表・第2表)の更新は、文章作成の比重が高く、「また似たような文言になってしまう」「利用者一人ひとりに合った表現にしたいが時間がない」という悩みを抱えるケアマネジャーが多いと考えられます。

Before / After:AI活用で何が変わるか

Before(従来の手作業フロー):

アセスメント実施
  ↓
手書きメモ・情報整理
  ↓
第1表「総合的な援助の方針」を一から文章化(30〜60分/件)
  ↓
第2表「援助目標・サービス内容」を領域ごとに入力(60〜90分/件)
  ↓
上長確認・修正
  ↓
利用者・家族への説明・署名

After(AI活用後フロー):

アセスメント実施
  ↓
収集情報をプロンプトに貼り付け(5分)
  ↓
AIがドラフト生成(1〜2分)
  ↓
ケアマネが専門的観点で確認・修正(15〜30分/件)
  ↓
上長確認・修正
  ↓
利用者・家族への説明・署名

確認・修正の時間は変わりませんが、「一から文章を考える時間」が大幅に短縮できるという活用例が考えられます。特に、複数件の更新が重なる月末の負担軽減に効果が期待できます。

個人情報の取り扱いについて: 利用者の実名・住所・生年月日などの個人特定情報をAIサービスに入力する前に、必ず所属事業所のガイドライン・プライバシーポリシーを確認してください。個人情報は匿名化(「Aさん、80代女性、要介護3」など)してから入力することを強く推奨します。ChatGPTのビジネス向けプランやAPIでは入力データの学習利用をオプトアウトできますが、無料プランでの扱いは最新の利用規約を必ず確認してください。


実装プロンプト①:第1表「総合的な援助の方針」ドラフト生成

プロンプト全文(コピペOK)

あなたは介護施設のケアマネジャーをサポートするAIアシスタントです。
以下の利用者情報をもとに、施設サービス計画書(第1表)の「総合的な援助の方針」の文案を作成してください。

## 利用者情報
- 年齢・性別:[例:82歳、女性]
- 要介護度:[例:要介護3]
- 主な疾患・既往歴:[例:脳梗塞後遺症(左片麻痺)、高血圧、骨粗鬆症]
- 認知機能:[例:軽度の認知機能低下あり。意思疎通は可能]
- ADL(日常生活動作)の状況:[例:歩行は歩行器使用で短距離可。食事は一部介助。排泄は定時誘導で対応中]
- 本人の意向・希望:[例:「できるだけ自分で歩きたい」「家族と食事を楽しみたい」]
- 家族の意向・希望:[例:「転倒だけは防いでほしい」「笑顔でいてほしい」]
- 現在の課題(ニーズ):[例:転倒リスクが高い。食欲低下が続いている。日中の活動量が少ない]

## 出力形式
以下の形式で「総合的な援助の方針」の文案を200〜300字で作成してください。
- 本人の意向・家族の意向を踏まえた記述にすること
- 具体的なサービス・支援の方向性を含めること
- 「〜が考えられます」「〜を目指します」など、ケアプランとして自然な文体にすること
- 断定的な効果保証(「必ず回復する」等)は使わないこと

## 注意事項
これはドラフト文案です。担当ケアマネジャーが専門的観点から内容を確認・修正してください。

使い方ステップ(5ステップ)

  1. アセスメント情報・モニタリングメモを手元に用意する
  2. 上記プロンプトをChatGPTに貼り付ける
  3. [ ] 内の記載例を利用者の実際の情報に書き換える(個人情報は匿名化すること)
  4. ChatGPTが文案を生成 → コピーして計画書に仮貼り付け
  5. ケアマネジャーが専門的観点から確認・修正・追記を行う

出力例(イメージ)

脳梗塞後遺症による左片麻痺があるものの、「できるだけ自分で歩きたい」というご本人の意向を大切に、歩行器を活用しながら安全な移動を支援します。転倒予防を最優先課題として、環境整備とリハビリテーションを継続的に提供することが考えられます。食欲低下への対応として食形態や食事環境の見直しも視野に入れ、ご家族が望む「笑顔で過ごせる毎日」の実現に向けて、施設全体でチームケアを進めてまいります。

カスタマイズポイント

  • 文字数は「200〜300字」を「300〜400字」に変更可能
  • 「施設サービス計画書(1)」の他、「居宅サービス計画書(1)」用にも流用できます
  • 複数の疾患がある場合、「主な疾患」に優先順位をつけて入力すると焦点が絞られます

このプロンプトはChatGPTで動作確認しています(2026年04月時点)。


実装プロンプト②:第2表「援助目標・サービス内容」ドラフト生成

プロンプト全文(コピペOK)

あなたは介護施設のケアマネジャーをサポートするAIアシスタントです。
以下の情報をもとに、施設サービス計画書(第2表)の各領域の援助目標・サービス内容のドラフトを作成してください。

## 利用者情報
- 年齢・性別:[例:82歳、女性]
- 要介護度:[例:要介護3]
- 主な疾患・既往歴:[例:脳梗塞後遺症(左片麻痺)、高血圧]
- ADL状況:[例:歩行は歩行器使用で介助あり。食事は一部介助。排泄は定時誘導。入浴は全介助]
- 認知機能:[例:軽度低下。簡単な会話は可能]
- 現在の課題(ニーズ):
  1. 転倒リスクが高く、安全な移動が困難
  2. 食欲低下により栄養状態の悪化が懸念される
  3. 活動量が少なく、廃用症候群が進行する可能性がある
  4. 本人の「歩きたい」という意欲を維持・向上させたい

## 出力形式
以下の領域ごとに、第2表の構成に沿った内容を作成してください。

### 領域①:健康・身体機能
- 課題(ニーズ):
- 長期目標(6ヶ月後のイメージ):
- 短期目標(3ヶ月後の具体的な姿):
- 援助内容(サービス内容・担当者・頻度):

### 領域②:生活行為・ADL
(同形式)

### 領域③:社会参加・生きがい
(同形式)

### 領域④:家族支援・家族関係
(同形式)

## 注意事項
- 目標は測定可能な表現(「〜できるようになる」「週〇回〜する」等)を意識すること
- 断定的な効果保証は使わないこと
- これはドラフト文案です。担当ケアマネジャーが専門的観点から確認・修正してください

使い方ステップ(5ステップ)

  1. アセスメントシートを参照し、4領域のニーズを整理する
  2. プロンプトを貼り付け、利用者情報を匿名化して入力する
  3. 「課題(ニーズ)」の箇条書き部分に実際のアセスメント内容を記入する
  4. AIが4領域分のドラフトを生成 → 計画書の各欄に仮入力する
  5. 各領域のサービス担当者に照合しながらケアマネが修正・確定する

出力例(領域①:健康・身体機能のイメージ)

課題(ニーズ): 脳梗塞後遺症による左片麻痺があり、転倒リスクが高い状態が続いている。安全な移動手段の確保と筋力維持が必要。

長期目標(6ヶ月後): 歩行器を使用して施設内を安全に移動できる状態を維持する

短期目標(3ヶ月後): 週3回のリハビリを継続し、歩行時の介助量が現状より軽減される

援助内容: 理学療法士による歩行訓練(週3回)、介護スタッフによる移動時の見守り・介助(毎日)、環境整備(手すり・段差の確認を月1回)

カスタマイズポイント

  • 領域は利用者の状況に応じて追加・削除できます(「認知症ケア」「疼痛管理」等)
  • 担当者名・頻度は施設のサービス体制に合わせてAI出力後に修正する
  • 長期目標・短期目標の期間設定は施設の方針に従って調整してください

このプロンプトはChatGPTで動作確認しています(2026年04月時点)。

重要: ケアプランは介護保険法に基づく法的文書です。AIの出力はドラフトであり、最終的な内容の確認・作成責任は担当ケアマネジャー(介護支援専門員)が負います。AIの出力をそのまま利用者・家族に提示したり、修正なく計画書に記載したりしないでください。


実装プロンプト③:短期目標の文案生成補助(ADL・認知・生活意欲別)

プロンプト全文(コピペOK)

あなたは介護施設のケアマネジャーをサポートするAIアシスタントです。
以下の利用者情報をもとに、施設サービス計画書(第2表)の「短期目標」の文案候補を生成してください。

## 利用者の状態
- 年齢・性別:[例:78歳、男性]
- 要介護度:[例:要介護2]
- 主な課題領域:[以下から選んで記入してください]
  ☐ 移動・歩行
  ☐ 食事・栄養
  ☐ 排泄
  ☐ 入浴・清潔保持
  ☐ 認知機能・見当識
  ☐ コミュニケーション
  ☐ 生活意欲・社会参加
  ☐ 疼痛管理・医療的管理
- 現在の状態(具体的に):[例:歩行器使用で10メートルは歩けるが、それ以上は疲労で困難]
- 本人の意向:[例:「孫が来る時に歩いて会いたい」]
- 達成期間:[例:3ヶ月後]

## 出力内容
以下の3パターンの短期目標の文案を提案してください。

### パターンA(現状維持を重視)
→ 現在の機能を維持することを目標とする表現

### パターンB(段階的改善を目指す)
→ 達成可能な小さな改善を目標とする表現

### パターンC(意欲・QOL重視)
→ 本人の意向・生きがいを前面に出した表現

## 注意事項
- 測定可能・確認可能な表現にすること(「〜できる」「週〇回〜する」等)
- 「必ず達成する」「確実に回復する」等の保証表現は使わないこと
- これはドラフト文案候補です。担当ケアマネジャーが専門的観点から選択・修正してください

使い方ステップ(5ステップ)

  1. 対象の利用者の課題領域を確認し、チェックボックスを埋める
  2. 「現在の状態」に具体的な機能レベルを記入する(数値があれば使う)
  3. プロンプトを貼り付け実行、3パターンの候補を取得する
  4. A・B・Cの中からケアマネジャーが最も適切な表現を選ぶ
  5. 選んだ文案に利用者固有の表現・施設のケアスタイルに合わせて修正を加える

出力例(移動・歩行の場合のイメージ)

パターンA(現状維持重視): 歩行器を使用して施設内10メートルの移動を安全に継続できる(3ヶ月後)

パターンB(段階的改善): 歩行器を使用した歩行距離が20メートルに延長し、食堂まで自力移動できる(3ヶ月後)

パターンC(意欲・QOL重視): 孫との面会時に歩行器を使って笑顔で迎えに行くことができる(3ヶ月後)

カスタマイズポイント

  • 短期目標が「漠然としすぎる」と感じる場合、「現在の状態」の記述をより具体的にすると精度が上がります
  • 認知症の方の目標設定には「パターンC(意欲・QOL重視)」が馴染みやすい傾向があると考えられます
  • 複数の課題領域がある場合は、領域ごとに別々にプロンプトを実行することを推奨します

このプロンプトはChatGPTで動作確認しています(2026年04月時点)。


実装プロンプト④(応用):モニタリング記録の文章化補助

プロンプト全文(コピペOK)

あなたは介護施設のケアマネジャーをサポートするAIアシスタントです。
以下のモニタリングメモをもとに、介護保険のモニタリング記録として記載できる文案を作成してください。

## モニタリングメモ(箇条書きでOK)
- 訪問日・方法:[例:2026年4月15日、居室訪問]
- 利用者の様子:[例:表情明るく、食欲も回復傾向。歩行器で廊下を歩く様子あり]
- 目標の達成状況:[例:短期目標「食堂まで自力移動」→ほぼ達成。継続支援で長期目標も見えてきた]
- 課題・変化:[例:夜間の不眠を訴えることが増えた。夜間巡回の記録要確認]
- 本人・家族の意向確認:[例:本人「もっと歩けるようになりたい」。家族から特に変更希望なし]
- 次回対応方針:[例:夜間不眠の状況を看護師と共有し、必要に応じてサービス担当者会議を検討]

## 出力形式
モニタリング記録として記載できる文章(300〜400字)に整形してください。
- 客観的な事実と主観的な様子を分けて記述すること
- 「〜と思われる」「〜との訴えがあった」等、記録として適切な表現を使うこと
- 次回の対応方針を末尾に含めること

## 注意事項
これはドラフト文案です。担当ケアマネジャーが専門的観点から確認・修正してください。

使い方ステップ(4ステップ)

  1. モニタリング訪問後、その場でスマートフォンにメモを箇条書きする
  2. 事業所に戻った後、メモをプロンプトの該当欄に貼り付ける
  3. AIが記録文書のドラフトを生成 → 記録システムに仮入力
  4. ケアマネジャーが確認・修正してから確定保存する

このプロンプトはChatGPTで動作確認しています(2026年04月時点)。


導入時の注意点と運用ルール

個人情報の保護

利用者の個人情報(氏名・住所・生年月日・個人が特定できる詳細な医療情報)はAIサービスに直接入力しないでください。入力前に以下の匿名化処理を行うことを推奨します。

元の情報 匿名化の例
山田花子さん(82歳) Aさん(80代女性)
要介護3、脳梗塞後遺症 要介護3、脳血管疾患
○○市△△町の自宅 自宅(関東圏)

また、利用するAIサービスの最新の利用規約を確認し、入力データが学習に使われる可能性について事業所として方針を決定してください。施設・事業所のICTガイドラインや個人情報保護規程がある場合は、必ずそれに従ってください。

AIはあくまでドラフト生成ツール

繰り返しになりますが、ケアプランは介護保険法に基づく法的文書であり、利用者の生活の質を左右する重要な計画書です。

  • AIが生成したドラフトを修正なく計画書に使用することは避けてください
  • 利用者・家族の個別性・感情・生活背景を踏まえた専門的判断は、ケアマネジャーが行う必要があります
  • 最終的な内容の確認・作成責任は、担当ケアマネジャー(介護支援専門員)が負います
  • サービス担当者会議での内容調整・利用者本人の同意取得は従来通り行ってください

AIを「文章のたたき台を作るパートナー」として使うことで、考える時間・確認する時間により多くを充てられる環境が生まれると考えられます。


ケアマネの業務にAIを活用するための次のステップ

介護現場でのAI活用はケアプランのドラフト生成だけではありません。記録業務・申し送り・モニタリングなど、幅広い業務への応用が考えられます。

同様のプロンプト活用事例として、以下の記事もあわせてご参照ください。

AIを活用したスキルをさらに体系的に習得したい方には、オンライン学習も一つの選択肢です。

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介護職・ケアマネジャーとしてAI・データサイエンスのスキルを本格的に身につけ、キャリアの選択肢を広げたい方は、就労移行支援の活用も考えられます。

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介護職のAIスキル習得やキャリアチェンジに興味がある方は、こちらの記事もご参考ください:AIスキルを活かした介護職のキャリアガイド


まとめ:AIはケアマネの「書類の壁」を下げるパートナー

この記事で紹介した4つのプロンプトを使えば、施設サービス計画書(第1表・第2表)のドラフト生成から短期目標の文案作成、モニタリング記録の整形まで、幅広い書類業務の効率化が期待できます。

今日試せる最初の一歩は:

  1. プロンプト①を開き、担当利用者1名の情報(匿名化済み)を入力してみる
  2. 生成されたドラフトと自分の文案を比較する
  3. 「使えるパーツ」だけを選んで組み合わせる習慣をつける

完璧なドラフトを最初から求める必要はありません。「60点の下書きをAIに作らせて、40点分の専門的判断を自分が加える」という使い方から始めてみてください。

改めてのご注意: ケアプランは介護保険法に基づく法的文書です。AIの出力はドラフトに過ぎません。利用者・家族への説明・同意取得・最終的な作成責任は、すべて担当ケアマネジャー(介護支援専門員)が担います。AIはその専門性を支援するツールとしてご活用ください。

AI

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